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TRAVEL 25 Apr 2019

イタリア在住ライターがお勧めするヴェネツィアの美しい街を堪能できる秘密の3スポット

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イタリア北東部に位置する水の都ヴェネツィア……この街は何度訪れても飽きることはなく、それどころか行く度にその魅力にどんどん引き込まれていきます。

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日本からも多くの方がこの街に訪れ、その素晴らしさに魅了されたことと思います。この島の起源は、5世紀に泥と砂だけだった湾に、ゲルマン人に追いやられた北イタリアの地元民が避難所として設立したとされています。それから1500年以上の歴史の中で大小の運河が張り巡らされ、他の都市にはない美しい街並みを形成しています。

この島ではのんびりと歩いたり、水上のゴンドラから街をながめるのがメジャーな楽しみ方です。が、今回は高いところに登り、街の全景を眺めてその造りに驚き、“水の都”の美しさに感嘆する、というプランをお勧めします。このプランでは普段見られないヴェネチアの絶景を楽しめ、新たな魅力に気づかされるはずです。

それではとっておきのスポットを3つご紹介しましょう!

秘密のスポット①サンマルコ鐘楼で定番広場の魅力を再確認

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ヴェネツイアでは一番高い所から見た景色ということになる

ヴェネツィアを訪れる人なら必ず行くサンマルコ広場とサンマルコ寺院。広場にあるレンガ造りの立派な鐘楼が、“サンマルコ鐘楼”。ヴェネツィアで一番高く、一番大切だったこの鐘楼には5つの鐘が設置されています。それぞれの音が知らせる内容はそれぞれ全く別のもの。単なる時間を知らせる鐘ではなかったということですね。当時はどんな違いがあったのでしょうか。

まず、一番大きな鐘“マランゴーナ”……ヴェネツィアらしく造船に関わっていた労働者の就業開始と終了の時間を知らせたり、ドゥカーレ宮殿で開かれていた最も重要な会議開始を告げるためのものであったそう。造船労働者と議員の会議の時間を知らせる鐘が同じ音とは、造船がヴェネツィアにとってどれだけ重要な商業であったかがわかります。

二番目に大きな鐘“ノーナ”または“メッザーナ”……これは現在も昔も正午をお知らせする音であったとともに、かつてはリアルト橋から送り出される手紙を受け付ける終了時間を知らせるためのものでもあったそう。リアルト橋があるところは、本島が作られ始めたころの拠点だったので、おそらく郵便物はすべてこのリアルト橋から送られていたのでしょう。「手紙を送りたい方は12時までにリアルトまで届けてください! でないと郵便船は出てしまいますよ!」という鐘の音だったのですね。

三番目の鐘、“トロッティエラ”または“クヮランティア”……ちょっと発音しにくいこの鐘、もともとはヴェネツィアで最も重要な会議に貴族達を招集するための音だったそう。その音は馬のギャロップ音を模倣してリズミカルに鳴っていたようです。「さあ、馬に乗って急いで宮殿に来て下さい~」といったところでしょうか。

四番目の鐘、“プレガーディ”……上院議員の会議が始まる時に鳴らされていたものだそう。行政に関するお知らせが多かったことが分かりますね。

最後に五番目の鐘、“レンギエラ”……これは、なんと司法官が犯罪者に関する判決を発表する前に鳴らされていたもの。街中に犯罪者の汚名を知らしめて、行政や街の警備をスムーズにするための知らしめとして役に立っていたのですね。

と、これだけ盛りだくさんの鐘たちですが、そのような歴史を感じながら眺める広場は“美しい観光地”という概念を越えた味わいがきっとあることでしょう。

さて、話を風景に戻しまして……鐘楼からは少しずつ違う風景が楽しめます。

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サンマルコ寺院の屋根の美しさが際立つ風景

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カナルグランデが望める広々とした景色

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ドゥカーレ宮殿の造りを立体的に感じれるアングル

どれも本当に素晴らしい景色で、ヴェネツィアの核を思わせる重厚さがありますね。

秘密のスポット②サン・ジョルジョ・マッジョーレ鐘楼でカモメ気分

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海の美しさを堪能するには最高のポジション

次なるお勧めスポットは、ヴェネツィアの潟にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレにあります。ここはベネディクト会が活動の拠点として980年代に修道院と教会とを作った、小さな小さな島です。
島のほとんどが協会となっています。その建造物は1200年代初めの地震で崩壊してしまいました。しかし、1500年代に北イタリアのルネッサンス建築を一手に担ったパッラーディオのアイデアによって改修されたのです。

お勧めのスポットはその教会にある鐘楼。こちらは1700年代の終わりにようやく完成したもの。そこからの眺めはカナルグランデを取り囲む島の全体的な形態が見られ、海と街のハーモニーを楽しむことが出来ます。街の上空を通っていく空気が全身に感じられ、ちょっとカモメの気持ちが分かるような、本当に素敵な眺めですよ!

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修道院の造りも上からじっくり堪能できる嬉しさ

秘密のスポット③ドイツ人商館テラスでバロック絵画の時を過ごす

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運河の美しさが引き立つ風景

ドイツ人商館、という名前になったのは15世紀以後のことで、13世紀には東方諸国からやってくる工芸品や香辛料を輸入、ヴェネツィアからはガラス工芸品などが輸出される貿易の拠点だったそう。商人の宿泊施設としての役割もあったようで、当時のヴェネツィアの商業の繁栄とともに、いろいろな国からの商人が行き来しさぞかしエキゾチックな雰囲気であったことでしょう。

テラスの高さは鐘楼などに比べるとそれほどではありませんが、リアルト橋のふもとにある建物という立地上、カナルグランデの一番美しいアングルが堪能できます。ドイツ商館は現在近代的なデパートとして利用されており、テラスへの入場は無料(これは嬉しいですね)です。天気のいい日はテラスの白い石細工が空の青に映えて本当に美しく、まるでバロック絵画のように時間を巻き戻してくれる素敵な景色です。

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17世紀の絵画を思わせる景色

ただし、ハイシーズンは数多くの人がここを訪れ、テラス入場のための行列が出来ます。無料で予約も出来ますので、事前にドイツ人商館のテラスに出向き、希望の時間に予約を入れておくか、ネットでの予約を入れておくのが賢明でしょう。

さて、いかがだったでしょうか? ヴェネツィアの魅力は無限にありますが、こうしていろいろなアングルからヴェネツィアの景色を堪能することで、路地からは見られない街の造り、運河の張り巡らされ方などを興味深く知ることが出来ます。レンガの色と水、空の色の調和を、ぜひ皆さんも味わいに絶景に訪れてみてくださいね。

写真で見るよりもずっと広がりのある景色が目の前に広がり、街の上を飛び交う、かもめのような気持ちになれること間違いなしですよ。

★サンマルコの鐘楼

営業時間
4月1〜15日 9:00 – 17:30
4月16日〜9月30日 8:30 – 21:00
10月1日〜10月27日 9:30 – 18:00
10月28日〜3月31日 9:30 – 16:45
ネットによる予約が可能な期間:4月1日〜10月31日
入場料:8ユーロ(予約をしていく場合は+予約料5ユーロで計13ユーロ)
事前予約が出来るページ(英語のみ、内容は各自でご確認ください)
https://www.venetoinside.com/attraction-tickets-in-veneto/tickets/st-marks-bell-tower-skip-the-line-entry/

★サンジョルジョ・マッジョーレ教会の鐘楼

営業時間
4月~10月 9:00 – 19:00
11月~3月 8:30 – 18:00(鐘楼は閉館の20分前まで)
※日曜の10:40-12:00はミサのため入場できません。
鐘楼のタワーの入場料:6ユーロ(教会は無料)
※エレベーターは、列になって並ばなければいけない場合が多いので、時間に余裕を持って行きましょう。

★ドイツ人商館

営業時間
6月~8月 10:15 – 20:15
4月、5月、9月、10月 10:15 – 19:30
11月~3月 10:15 – 19:15
※入場は15分ごとでオーガナイズされています
予約ページ
https://www.dfs.com/en/venice/t-fondaco-rooftop-terrace

WRITER PROFILE
林由紀子
林由紀子

マルケ州、ウルビーノ近郊のカーイ(Cagli)在住。1999年渡伊、ファエンツァの国立美術陶芸学校の陶彫刻科を卒業後、現代美術アーティストBertozzi&Casoniのもとでアシスタントとして12年に渡ってコラボする。2003年にマルケ在住のイタリア人と結婚したのをきっかけに、マルケ州の郷土料理や工芸、美術文化に強く惹かれ、自らも陶芸家として活動する中、ウルビーノを中心とするマルケ北部や県境近郊の食文化、美術工芸文化を発信する(ラファエロの丘から)を立ち上げ、現地アテンドや料理教室、工芸体験などのオーガナイスや、ウルビーノを紹介する記事などを執筆。http://www.collinediraffaello.it/

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