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TRAVEL 09 Sep 2019

世界遺産「エトナ山」の麓にある老舗ワイナリー「NICOSIA(ニコシア)」で味わうワインの秘密

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夏のバカンスはシチリア・カターニャへ

夏は長期にわたってバカンスをとるイタリア人。日本で仕事をしている時には、こんなイタリア人のゆったりとした時間の過ごし方は全く想像ができませんでしたが、イタリアでの生活も5年目に突入する私も、最近では、この夏のバカンスの予定を早々に立てるほどに順応しています。とはいえ、夏は毎年恒例の主人の実家のある、シチリアへ行くのが恒例。今年もシチリアで2週間ほどのバカンスを過ごしました。

世界自然遺産にも登録されている「エトナ山」が望める港町カターニアの近く

シチリアの朝といえば、日本のかき氷のようなグラニータとブリオッシュと呼ばれるパンが定番。義理の母に「レモン味のグラニータはあそこがいいわよ」なんてすすめられ、数々の小皿が並ぶ日本の食卓とは異なる朝は、シチリア人の嫁となったことを感じる瞬間です。そんな主人の実家は、世界自然遺産にも登録されている「エトナ山」が望める港町カターニアの近くにあり、エトナ山の雄大な景色を見ると、シチリアに戻ってきたことを実感します。

エトナ山の雄大な景色を見ると、シチリアに戻ってきたことを実感します

今回のバカンスでは、散々ビーチにも行き、海を満喫できたので、ちょっと違うこともしたくなり、主人の実家にほど近いエトナ山のワイナリーに行ってみることに。エトナ山には数々のワイナリーがあり、どこが良いか検討もつかなかったので、シチリアの食品製造会社を営む友人に訊いてみたところ、エトナ山の麓にあるワイナリー「NICOSIA(ニコシア)」をすすめられました。

カターニャの象徴、世界自然遺産「エトナ山」

標高約3300mのエトナ山「Il Monte Etna(イル・モンテ・エトナ)」は、イタリアの南、シチリア島の東側、カターニャ県にある活火山です。富士山よりも500mほど低いのですが、横に広がる形と、冬になると雪が積もる風景はどこか富士山に似ているようにも感じます。愉快な義理の兄は、「見てみろ。モンテ・フジだ!(笑)」とエトナ山を見る度に私に言います。

エトナ山の火山噴火の歴史は50万年前と言われているほど貴重なもので、その継続的に噴火を繰り返す成層火山「エトナ山」は、火山学、地球物理学などの地球科学の研究が多く進められています。また、特殊な火山ということから、独自の生態系をもつ動植物が生息していて、季節ごとに貴重な動植物を鑑賞することができるのも、このエトナ山の魅力です。

火山噴火の歴史は50万年前と言われているほど貴重なもので、その継続的に噴火を繰り返す成層火山「エトナ山」

エトナ山の土はアルカリ玄武岩質を含み、カリウムやミネラルを含んだ火山灰土は農作物の肥料に適しているため、世界的な評価の高いワイン用のブドウ、ピスタチオ、オリーブをはじめとするシチリアの特産品が生まれる理由の一つです。

120年の歴史を誇る老舗ワイナリー「NICOSIA」

シチリアで最も上質なワインと称されることが多い「エトナワイン」。1898年にフランチェスコ・ニコシアがエトナの東側に最初のワイナリーをオープンさせ、エトナワインを世界的に知名度のあるワインへと導いた、老舗ワイナリーの一つです。1986年にはシチリアで初めて、イタリアのワイン格付、D.O.Cを取得したワイナリーとして知られています。

1898年にフランチェスコ・ニコシアがエトナの東側に最初のワイナリーをオープンさせ、エトナワインを世界的に知名度のあるワインへと導いた

ワイナリーまでの道なりは、エトナ山の東側、カターニャ方面からトレカスター二という町にあり、ニコシアのワイナリーに近づくにつれ、エトナ山の姿が徐々に大きくなっていく姿が印象的でした。そして、ニコシアのエントランスを抜けると、ニコシアのワイナリーの背景に雄大なエトナ山の景色が広がっていて、いつものエトナ山とは異なる表情を見せてくれました。

ニコシア・ワイナリーのエントランスからカンティーナへ抜ける煉瓦造りの建物には、創業当初にワイン製造に使っていた器具や写真などが展示されていて、これまでのニコシアの歴史を垣間見ることができるスペースなどもあり

ニコシア・ワイナリーの27000㎡の敷地には、ワイン製造エリア、醸造所、開発研究所などがあり、それぞれワイン製造の重要な役割を担っています。ワイナリーに入るエントランスからカンティーナへ抜ける煉瓦造りの建物には、創業当初にワイン製造に使っていた器具や写真などが展示されていて、これまでのニコシアの歴史を垣間見ることができるスペースなどもあり、ニコシアの歴史やワインの特徴の説明を受けながら、ワイナリーのツアーがここから始まります。

イナリー独特の木の匂いと、湿った空気の中に、スペインの老舗樽メーカーのオーク材を使ったサイズの異なるワイン樽が並ぶ

温度、湿度などを徹底管理されている発酵タンクやオリ下げのタンクなどが並ぶワイン製造エリアの1階フロアでは、ブドウの採取から発酵までワイン製造の一連の流れの説明を受け、地下のカンティーナへ。ワイナリー独特の木の匂いと、湿った空気の中に、スペインの老舗樽メーカーのオーク材を使ったサイズの異なるワイン樽が並び、部屋の片隅には歴代の貴重なワインなどが保管されていました。

部屋の片隅には歴代の貴重なワインなどが保管されていました

現在、ニコシアは、ブドウ栽培技術、バイオテクノロジー、ブドウ園の衛星マッピングなど、最先端のテクノロジーを使ったワイン製造にも積極的に取り組んでいます。また、動物由来の製品を一切使わないヴィーガンワインの製造にも力をいれていて、ヴィーガンワインの需要が多いドイツやスイスなどのヨーロッパへ年間約30万本を輸出するなど、創業から120年ほど経ち、時代の変化とともに進化を遂げ、エトナワインのグローバルなブランディングにも貢献しています。

ヴォルカニック・ワインを愉しむ「ワインテイスティング」

火山独自の壌土で育ったブドウを使用したワイン「ヴォルカニック・ワイン」は、独特な風味を味わうことができるとされ、近年、世界的にも注目されているワインの一つです。ニコシアのワインは、シチリアのカターニャにそれぞれ約6000ヘクタールの5つのブドウ畑を所有していて、その土に合わせたブドウ品種が栽培されています。それらがこのワイン製造工場で醸造され、熟したワインに形成されイタリア各地、また日本を含む海外へ出荷されます。

現在40にも及ぶワインラベルを生産するニコシアのワインの中には、イタリアのガイドブックが評価する「ガンベロ・ロッソ」が選ぶ、最高評価の3ビッキエーリを受賞したフォンド・フィラーラ・エトナ・ビアンコ(ビオロジコ)2016などもニコシアの有名ラベルの一つです。

テイスティングをしたのは、ヴォルカ・エトナの赤、白、ロゼに加え、フォンド・フィラーラ・エトナ・ロッソの4種類

ガイドツアーが終了すると、ニコシアが営むオステリアの一角でワインティスティングを愉しむことができるのも、このワイナリーツアーの醍醐味です。今回テイスティングをしたのは、ヴォルカ・エトナの赤、白、ロゼに加え、フォンド・フィラーラ・エトナ・ロッソの4種類。やはり、ミネラルを多く含んだ土壌で育った地元品種「ネレッロ・マスカレーゼ」などを使っているため、ほどよい酸味とベリー系の香りが特徴的でした。

ニコシアにはワイナリーやオステリア以外にも、エノテカと地元の物産品を扱うショップがあるので、お土産散策にもおすすめの場所

今回は時間の関係もあって、ゆっくりニコシアのオステリアで食事をいただくことは出来かったので、次回は、素敵な雰囲気のこのオステリアで、地元の食材を使った料理とワインを堪能しに改めて足を運びたいと思います。また、ニコシアにはワイナリーやオステリア以外にも、エノテカと地元の物産品を扱うショップがあるので、お土産散策にもおすすめの場所です。

シチリアと言えば、やっぱり海のイメージが強いですが、ワイナリーや山散策も十分に楽しめることを再発見

そして、ワイナリーの帰りには、せっかくエトナ山の麓まで来たので、山頂の方まで行ってみることに。もちろん主人は地元なので、何度か登ったことがあるために、あまり感動はなかったようですが、初めての私は、数万年前にできたクレーター越しに見えるカターニャの街やシチリアの最北端「メッシーナ」の街が見える絶景は感動的でした。シチリアと言えば、やっぱり海のイメージが強いですが、ワイナリーや山散策も十分に楽しめることを再発見しました。

数万年前にできたクレーター越しに見えるカターニャの街やシチリアの最北端「メッシーナ」の街が見える絶景は感動的

CANTINE NICOSIA

NICOSIA ホームページ(英語):http://www.cantinenicosia.it

・住所:Via Luigi Capuana, 65  95039 Trecastagni, Catania
・電話番号:+39-095-7806767

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WRITER PROFILE
Manami Palmieri
Manami Palmieri

イタリアのミラノ在住、フォトグラファー兼ライター。アメリカの大学にて芸術学部を卒業後、日本の一部上場企業に就職しアートディレクターとして活躍。国内外で写真展を開催するなど、アーティストとしての幅を広げ、2016年に渡伊。結婚を機にイタリアに移住。現在は、写真と文字でファッションやアートを中心としたグローバルな最新情報を発信中。

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