COLUMN
TRAVEL 17 Oct 2019

世界遺産マテーラで新作「007 / NO TIME TO DIE(ノー・タイム・トゥ・ダイ)」が撮られた! どんな街なのか?

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世界遺産で新作「007」の撮影が行われました

「007」シリーズの第25作目となる最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」。俳優ダニエル・クレイグ氏がジェームズ・ボンドを演じるのは今回が最後で、2020年4月公開のこの作品は世界各地で撮影が行われています。そして9月にはイタリア南部の街マテーラでも撮影が行われました。マテーラは洞窟住居で有名な街で世界遺産にもなっており、2019年の欧州文化首都にも選ばれています。3年ほど前からマテーラに国鉄とItaloの駅も新設されたため、電車でも簡単に行けるようになりました。そんなマテーラの街を映画公開より一足早くチェックしましょう。

唯一無二のパノラマ、洞窟住居がひしめくマテーラ

サッシと呼ばれる洞窟住居が岩山と一体化したような独特の景観が魅力の街、マテーラ。マテーラは南イタリア・バジリカータ州の街でナポリから南東へ255km、車で3時間ほどの位置にあります。バジリカータ州出身の友人アンナ・ネリーナ・オリランディーニさんの実家へ遊びに行った時、彼女から「バジリカータに来たらマテーラを見なくっちゃ!」と勧められ、日没前後の2回マテーラを案内してもらいました。

映画「007 / NO TIME TO DIE(ノー・タイム・トゥ・ダイ)」の舞台マテーラ

マテーラの洞窟住居群ができた正確な時期はわかっていませんが、イスラム勢力を逃れた修道僧が住み着いてできたのが始まりとされています。

映画「007 / NO TIME TO DIE(ノー・タイム・トゥ・ダイ)」の舞台マテーラ

洞窟住居地区の周囲は緑が美しく、かなり深いグラヴィーナ渓谷が広がっていました。洞窟住居群の石灰岩の色とグラヴィーナ渓谷の緑色のコントラストが印象的。

洞窟住居地区の周囲は緑が美しく、かなり深いグラヴィーナ渓谷が広がっていました

洞窟住居地区の中に入ってすぐ、イタリアの3輪車に乗ったかわいい犬がお出迎えしてくれました。マテーラはイタリアの主要観光都市から少々遠いこともあり、観光客も多くありません。ここではゆったりとした時間の中で観光することができます。

サッシの中は細い小道が無数にあり、まるで迷路に入り込んだかのよう

サッシの中は細い小道が無数にあり、まるで迷路に入り込んだかのような感覚に。

サッシの中は細い小道が無数にあり、まるで迷路に入り込んだかのよう

坂の途中、頭上でなにか動いたと思い見上げると、壁の小さな穴から犬が出現!しかも壁と同じ毛色。まるでマテーラの石灰石の保護色のような毛色で壁と同化して見えるワンちゃんにさよならを告げ、細い路地を歩いて絶景パノラマポイントを目指します。

ユネスコ世界遺産に認定されたのはわずか26年前の1993年

マテーラの街は20世紀初頭に急激な人口増加により衛生状態が悪化したことにともない、1950年代に洞窟住居地区の住民たち約15,000人は強制移住させられました。そのため、この地区は無人の廃墟となってしまいました。洞窟住居や石窟聖堂など独特の文化が認められてユネスコ世界遺産に認定されたのはわずか26年前の1993年です。今では洞窟住居の中には再利用されているところもありますが、まだ閉ざされているところが多く残っています。

ジリカータ州民にとってマテーラは、長い歴史とその美しさから最も重要な街です

案内してくれた友人のアンナ・ネリーナさんはマテーラについてこう語ってくれました。
「私たちバジリカータ州民にとってマテーラは、長い歴史とその美しさから最も重要な街です。マテーラを歩くことは、現代では忘れてしまった過去にしか存在していないような時を過ごしている気分を味わえ、大変な時期もあったけれど沢山の生活があったこの洞窟住居群の過去を垣間見ているような錯覚に陥ることができます。マテーラの魅力を味わうには、この迷路のような洞窟住居群の中で迷子になってしまうことをお勧めします。そうすれば、ここでしか味わえない過去にタイムスリップしたかのような錯覚に身を委ねることができますよ。

マテーラを案内してくれた友人アンナ・ネリーナ・オルランディーニ

マテーラを案内してくれた友人のアンナ・ネリーナ・オルランディーニさん
数々の絶景ポイントがあるマテーラですが、洞窟住居全体を一望できるのは、街の一番高台にあるドゥオモ前の広場。ここからの眺めは圧巻で、この街の歴史に思いを馳せることができます。

絶景ポイントがあるマテーラ

絶景ポイントがあるマテーラ

新市街で見つけたユーモラスなドクロだらけの教会

マテーラの洞窟住居地区を観光したらマテーラの新市街地区へ足を伸ばしてみましょう。食事やアペリティーボなどを楽しめます。

18世紀に建てられたバロック様式のプルガトリオ教会のファサードには「罪と贖い」をテーマにしたという骸骨の彫刻が

新市街では一風変わった教会を見つけました。18世紀に建てられたバロック様式のプルガトリオ教会のファサードには「罪と贖い」をテーマにしたという骸骨の彫刻が一面に。

ユーモラスなドクロと美しい内装のギャップがユニークなプルガトリオ教会

中は豪華な装飾ながら、そこかしこに骸骨の彫刻や絵画が。どことなくユーモラスなドクロと美しい内装のギャップがユニークな教会でした。

ユーモラスなドクロと美しい内装のギャップがユニークなプルガトリオ教会

ユーモラスなドクロと美しい内装のギャップがユニークなプルガトリオ教会

日没後のライトアップされた妖艶な雰囲気のマテーラも必見

マテーラは日没後は、日中とまたは異なった表情を見せてくれます。アンナ・ネリーナさんは「夜のマテーラも見てほしいから」ともう一度マテーラに案内してくれました。

ライトアップされたマテーラの夜景は幻想的かつ妖艶

街全体がピンク色に染まる夕焼け時とライトアップされたマテーラの夜景は幻想的かつ妖艶な世界。マテーラを日没前後どちらも楽しむためにマテーラに宿泊することをお勧めします。アンナ・ネリーナさん一押しのホテルは「Hotel Sextantio」ですが、洞窟住居を改装して部屋の中も石灰岩がそのまま利用された内装のホテルがマテーラにはいくつもあり、洞窟ホテルに泊まるのはマテーラならではの体験。
次回は是非泊まってみたいものです。

ライトアップされたマテーラの夜景は幻想的かつ妖艶

退廃的なムードを漂わせ、街歩きをすれば様々な表情を見せてくれるマテーラ。マテーラが登場する映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開も今から楽しみですね。3年ほど前から洞窟群から徒歩20分ほどの位置に電車駅が設立されたことにより、旅行者にとって以前より簡単に行ける身近な街となりました。ナポリからだと国鉄やItaloで4時間弱で行けますので、南イタリアの旅にマテーラを組み入れてみてはいかがでしょうか。

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」「宅ふぁいる便」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/

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