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TRAVEL 12 Feb 2019

イタリア旅行で“変な人”と思われないための「マスク」のマナー

小林 真子 Mako Kobayashi
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日本では当たり前のマスク、イタリアでもつけてOK?

先日、仕事の取引先の女性からこんな質問がありました。

「日本ではインフルエンザが流行っているため、人混みの中では予防でマスクをする人が増えてきました。
欧州では予防でマスクをする習慣がないので、マスクをしていると重い感染症の人と思われるのでしないようにと言われたことがあります。
日本との習慣の違いについて教えていただけたら嬉しいです。」

イタリアに住んでいると、日本人から「日本とイタリアの習慣の違い」についての質問をよく受けます。
その中でも特に多いのが、もはや日本の冬の風物詩と言っても過言ではない「マスク」について。
日本の冬は、マスク利用者を見かけない日がないくらい誰かしらがつけています。
朝夕の通勤電車などで車両内の半数以上がマスクをつけていても違和感を感じないほど。

東南アジアではバイク利用者たちがマスクを使用しているのをよく見かけました。
ベトナムのホーチミンを旅行した時、駅前の大通りには日本では考えがたいほど多くのバイク利用者たちがいましたが、ほぼ全員がマスクで顔を半分ほど覆っていました。彼らは病気予防ではなく砂ボコリ対策として使用しています。

イタリアでマスクをつけているのは歯科医くらい

フィレンツェは世界有数の観光都市で世界中からの観光客で溢れていますが、アジア人以外でマスクをつけている観光客は見かけません。
イタリア人も然り、一般家庭でマスクを常備しているところなどありません。イタリア人も冬はしょっちゅうインフルエンザや風邪を引き、春先は多くの人が花粉症で苦しんでいますが、マスクはつけません。
イタリアでマスクをつけているイタリア人を見たのは歯科医院くらいです。

Florence
フィレンツェではマスクをしている人はほとんどいない

マスクをつける習慣がないイタリア人から、マスクをつけている日本人は「重い感染症の人」とまではさすがに思われませんが、「なんのため??」と違和感を持って見られているのは事実です。
実際、イタリア人たちからもよく「日本人がマスクをつけているのはなんで?」と聞かれます。

マスクをつける理由に「さすが日本人!」とイタリア人感動

日本人がマスクをつける理由として、病気予防とともに「自分の病気を他人にうつさないためでもある」と説明すると、イタリア人たちは「さすが日本人!他人のことを考えての行動なのね。素晴らしいじゃない!」と感心します。
確かにイタリア人は病気を他人にうつすことに関して日本人ほど気を使いませんし、そういえば予防対策も何もしません。
日本では「帰宅したら手洗いとうがい」が基本ですが、イタリア人は手洗いはするものの、「帰宅時のうがい」という習慣はないです。しょっちゅう風邪だのインフルエンザだの引いているのはそのせいではないかという気が少しするのですが・・・。

Trieste Skate
北イタリアのトリエステでもマスク利用者は見かけなかった

イタリア人にマスクをプレゼントしてみたら・・・

日本にはキティちゃんなどの絵柄がついたマスクや、豚の鼻や唇がデザインされたようなマスクなど種類がたくさんあり、一度お土産として持っていったことがあります。生まれも育ちもフィレンツェという生粋のフィオレンティーナの元ルームメイトの女の子にプレゼントしたところ、日本のかわいいものや面白いものが大好きな彼女はマスクに大喜び。

その翌朝、部屋から出ると、なんとルームメイトが嬉しそうにマスクをつけながら掃除をしている!
そして私に気がつくと「マコ、このマスクすごいわ!私、ホコリが苦手なんだけど、マスクをしていると掃除がとても快適なのよ。なんで今まで使っていなかったのかしら。イタリア人も使うべきね。」と興奮した様子。ウケ狙いでプレゼントしたマスクに、まさかここまで喜んでもらえるとは。
慣れないマスクをちょっと照れながらつけている感じが、なんともかわいらしかったです。

本気で”ちょっと変な日本人”はマスク着用ではなく「ある行為」

さて質問に話を戻すと、「マスクをしていると重い感染症の人と思われるのでしないように言われたことがあります。」とありますが、まあ奇異な目で見られる場合もありますし、そもそも着用している人がほとんどいないため着用しづらい雰囲気はあるものの、別にマスクをつけていても問題はありません。

Slovenia
年末年始に訪れたイタリアのお隣りスロベニアでもマスク着用者はゼロ

それよりもイタリア人が「これだけは無理!ありえない!」と悲鳴をあげて嫌がるのは、実はマスクの下で行われている行為にあります。

それは、「鼻をかまずに鼻水をズルズルとすすること」。
日本には人前で鼻をかむことは失礼で背を向けてかみなさいといったような暗黙のルールが存在します。
そのためか公共の場、特に身動きの取れない混雑したバスや電車の中で鼻水をズルズルすする人が多い。
一方のイタリア人は人前だろうが食事の席だろうが盛大に鼻をかみます。
日本人感覚からすると、「食事中に気持ち悪いからせめて背を向けて鼻をかんでよ!」となりますが、イタリア人にはこの感覚はありません。
逆に鼻をかまずにズルズルしている方が「見るに耐えない・・・」と気持ち悪くてたまらないのだそう。
日本を旅行したことがあるイタリア人は「電車内で鼻水ズルズルの大合唱を聞いた時は、まさに悪夢だった・・・」と話していました。

日本の皆さん、イタリアではどうぞ気兼ねなく人前で盛大に鼻をかんでくださいませ。
誰も気にしませんし、ご自身もすっきりして観光がより快適なものになるに違いありません。

WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」「宅ふぁいる便」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/

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