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MUSIC 07 Jan 2020

美術館巡りだけではもったいない、フィレンツェで気軽にコンサート鑑賞を楽しむ方法

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フィレンツェといえば、ルネサンス文化が花開いた街。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど天才たちが活躍した街であり、ウフィッツィ美術館やアカデミア美術館などが観光名所に挙げられます。そんなフィレンツェで、実はコンサートが気軽に楽しめるのはご存知でしょうか。フィレンツェの街の中心地には観光がてらフラリと立ち寄れる場所にいくつも劇場があります。

ゴージャスな内装で優雅に音楽鑑賞、イタリアで最も古い劇場の一つ「ペルゴラ劇場」

ペルゴラ劇場

私がフィレンツェで一番好きな劇場はドゥオモからも徒歩で行ける距離にあるペルゴラ劇場です。彫刻家ピエトロ・タッカの息子フェルディナンド・タッカによって17世紀に建てられたこの劇場はイタリア全土でも最も古い劇場の一つで、オペラ作曲家のヴェルディが「マクベス」を作曲し、自らの指揮で初演をした歴史を持ちます。

ペルゴラ劇場の内装

先月はイタリアの若手ピアニストBeatrice Rana(ベアトリーチェ・ラーナ)のピアノソロコンサートを鑑賞しにペルゴラ劇場を訪れ、ショパンの12の練習曲 作品25やストラヴィンスキーのペトルーシュカなどを鑑賞しました。

ステージで歌っている様子

このペルゴラ劇場の魅力はなんといってもゴージャスで美しい内装。サーモンピンク色の壁から愛らしい雰囲気が漂い、劇場の内部に足を踏み入れた瞬間から心奪われてしまいます。

豪華で美しいペルゴラ劇場の内装

ここでは演劇も上演されますが、イタリア語がわからないという人にはコンサートやバレエ鑑賞がお勧めです。ペルゴラ劇場のホームページを確認すれば演目がわかり、当日チケットがある場合も多いので、旅行中に空き時間ができたタイミングでも鑑賞可能なことも。席にこだわらなければ20ユーロ(約2,400円)程度からチケットがあり、日本の映画チケット並の値段でコンサートを楽しめるのも魅力です。

フィレンツェの街並み

コンセルバトーリオ(音大)に通っていたフィレンツェ出身の女性がルームメイトだったことがありますが、彼女が学割価格でチケットを買えたこともあり、週末ともなると二人で一緒にペルゴラ劇場のクラシック音楽コンサートによく出かけていました。どんなコンサートでも席がガラガラに空くことはなく、コンサートがいかにフィレンツェ市民の生活の一部になっているか実感したものです。

「ペルゴラ劇場 Teatro della pelgora」

劇場: https://www.teatrodellapergola.com/
チケット: https://www.teatrodellapergola.com/biglietteria/biglietti/
住所: via della Pergola 12/32 – 50121 Firenze

もともと刑務所が建てられていた場所! 坂本龍一氏もコンサートを開いた「ヴェルディ劇場」

サンタクローチェ教会のすぐ近くにあるヴェルディ劇場は、もともとはなんと刑務所が建てられていた場所でした。その後、1854年に劇場が建てられ、当初はパリアーノ劇場という名前でしたが1901年からオペラ作曲家のヴェルディにちなんで改名されました。ここではポップミュージックからクラシックオーケストラまで幅広いジャンルのコンサートが開かれていて、2011年には坂本龍一氏もコンサートを開いています。

ヴェルディ劇場の外観

昨年4月にはヴェルディ劇場でOrnella Vanoni (オルネラ・ヴァノーニ)のコンサートが開かれました。イタリアン・ポップスの代表的な女性歌手ですが、日本ではBS日本のテレビ番組「小さな村の物語イタリア」のオープニングテーマ「L’Appuntamento 逢いびき」が有名です。私もイタリアに来る前はよく観ていてた番組で、あのテーマソングを聴く度にイタリアへ行きたいという思いが募ったものですが、イタリアであの名曲を生で聴けるチャンスに大興奮! チケットをすぐに買いに行ったのは言うまでもないでしょう。

ヴェルディ劇場の外観

コンサートは平日、月曜日の開催でしたがチケットはソールドアウトの人気ぶり。オルネラ・ヴァノーニはこの時なんと83歳でしたが堂々たる歌いっぷりは健在で、すらっとした姿勢はとても80代には見えませんでした。全く年齢を感じさせないパワフルなコンサートで途中休憩も挟まず2時間も熱唱、念願の「L’Appuntamento 逢いびき」の生歌も聴けて大満足。

ヴェルディ劇場の内装

イタリアのポップミュージックからオーケストラ、子供対象の演劇まで様々なジャンルが上演されるヴェルディ劇場。劇場のホームページもとても見やすく簡単にオンラインでチケットを購入することができるので、見たいコンサートがあれば日本で事前に購入を。

「ヴェルディ劇場 Teatro Verdi」

劇場&チケット: https://www.teatroverdifirenze.it/
住所: via Verdi 5 – 50122 Firenze

2014年に完成したばかりの「オペラ・ディ・フィレンツェ(テアトロ・デル・マッジョ)」

2011年まで使用されていたフィレンツェ市立劇場の代わりに新たに誕生したオペラ・ディ・フィレンツェ(テアトロ・デル・マッジョ・ムジカーレ・フィオレンティーノともいう)。フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅から徒歩15分程度の場所にあるこの劇場は2011年に完成披露会が行われたものの、その後は財政難で閉鎖され、2014年にようやく稼働しはじめた真新しい劇場です。ここでは本格的なオペラやオーケストラコンサートなどが上演されます。

10月にはフィレンツェ出身のバイオリニストの友人が、オーケストラのリハーサルに招待してくれました。演目は小学校で習うグリーグの「ペールギュント」など。オーケストラのリハーサルを実際に生で見るのは初めてでしたが、リハーサルと言っても一応チケットがあり、席も決まっていました。

オーケストラが演奏している様子

会場に入ると、オーケストラの楽団員たちはみんなジーンズにセーター姿といったような普段着でくつろいだ様子。緊張感漂う本番公演とはまったく異なり、アットホームな雰囲気が漂いリラックスしてコンサートを楽しむことができます。

オーケストラが演奏している様子

この日の指揮者はフランス人のエマニュエル・クリヴィヌ氏でしたが、指揮者もまたカジュアルな普段着で登場。会場の聴衆にも和やかに挨拶してくれました。コンサート本番では決して演奏が途中で止まることはありませんが、リハーサルは何度も指揮者から指導が入り、その度に演奏が中断されます。それはまさに「のだめカンタービレ」の世界! フランス人指揮者のクリヴィヌ氏は上手なイタリア語と英語を混ぜて熱心に指導し、本番で演奏される曲すべてのリハーサルが行われました。

オーケストラが演奏している様子

コンサートのリハーサルは楽団員の友人でもいない限りなかなか観ることはできませんが、通常のコンサートやオペラはインターネットでもチケットを購入することができます。またその値段も日本に比べるとずっとリーズナブルなのも魅力です。例えば、舞台が見えなくてもいいので音と雰囲気だけを味わえればいいというのであれば、オーケストラコンサートもオペラも最低5~10ユーロ(約600~1,200円)からチケットがあるのも魅力的です。

「オペラ・ディ・フィレンツェOpera di Firenze」

劇場: https://www.maggiofiorentino.com/
チケット(英語サイト) https://www.maggiofiorentino.com/en/informazioni-2/
住所: Piazzale Vittorio Gui 1 -50144 Firenze

オペラ鑑賞は普段より少しフォーマルな格好を意識した方がいいですが、それ以外はフォーマルなファッションの必要もないので観光のついでに楽しむことができます。フィレンツェ旅行で美術館巡りは外せませんが、日本の雰囲気とは違った空間でのコンサートやオペラ鑑賞も楽しんでみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない思い出となりますよ。

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」「宅ふぁいる便」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/

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