FOOD 09 Aug 2019

1929年創業、フィレンツェ最古のジェラテリーア“Vivoli(ヴィヴォリ)”で至福のひととき

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男性服飾ジャーナリストが最愛のジェラテリーアを再訪

暑い日が続く夏のピッティ・イマジネ・ウォモを取材していると、何か突然、思い出したかのようにジェラートが食べたくなるのです。ピッティが行われるフィレンツェは、ジェラート発祥の地。そのため、街中にジェラテリーアは溢れ、すぐにでも冷たく爽快な味にありつけます。が、どこの店でもいいというわけでは当然ありません。20数年前によく通ったジェラテリーア“ヴィヴォリ”でなければ、満足できないのです。

ジェラート・ヴィヴォリの看板

なんだか頼りない光彩だが、これも老舗を支える立派な看板である
1997年、私は語学留学の名目でフィレンツェに住んでいました。まだ通貨はリラの時代。カフェ(エスプレッソ)1杯が、700~800リラで飲めた頃。“ヴィヴォリ”は、当時通っていた学校までの途中にあったため、しょっちゅう顔を出すようになりました。観光客にでもすぐに目立つドゥオーモ近くの派手なジェラテリーアに比べれば、“ヴィヴォリ”は、素っ気ない店構えで、内装もいたって地味。それでも、年季の入った調度品が安堵感を与えてくれ、店の主人たちのフィレンツェなまりの会話は心地よく、おぼつかないイタリア語に耳を慣らす場として最高の環境でした。暑い日ばかりでなく、冬でもジェラートを食べていたほど。

開店時間をちょっと過ぎてようやくオープンしたヴィヴォリ

通常の開店時間より、少し遅れてシャッターが開いた。これであのジェラートにありつける!
あの当時を思い出すために、ピッティの最終日、ホテルから“ヴィヴォリ”まで、てくてくと歩いて向かってみました。“ヴィヴォリ”の朝は早く、通常開店は7時半。
いゃ~、まったく変わりのない店の佇まい。何度か取り替えているのだろうが、Vivoliと筆記体で表したネオン灯の看板も、当時の雰囲気のまま。しかし、開店時間に合わせて来たのですが、店のシャッターは閉まっていました。
「ついてないな、今日は臨時休業か?」。地元の客が近づいて来て「そのうち開くから、ちょっと待ってましょ」と。それから10分後ぐらいでしょうか、店のシャッターが開き出しました。「おっ、これであの懐かしい味が楽しめる!」。
やはり店内も変わりありません。ジェラートが入ったショーケースやテーブル、椅子の配置、バールを併設した間取りで、内装もまったく同じでした。

コーンはなく、6種類のカップで提供されます

ジェラートは、ショーケースに常時36種類を並べるのがこの店のスタイル。朝一番に訪ねたため、まだジェラートが収まっていないケースもありましたが、どれにしようか迷っている間に、次から次へと、できたてのジェラートで埋め尽くされていきました。

コーンはなく、6種類のカップのみを展開

3種類のジェラートを、テキパキとカップに詰めるベテランの手際よさ
“ヴィヴォリ”は、他のジェラテリーアと異なることがあります。実は、注文するジェラートの器はカップのみ。コーンはなし。ジェラートの味をコーンの雑味で惑わせないように、カップでジェラートの味を純粋に楽しむ、というのが店の方針です。そのため、6種類ものカップのサイズを用意します。今回、選んだサイズは3番目に大きなカップで、マンゴ、キイチゴ、バナナチョコレートの3種類のジェラートをたっぷりと詰めてもらいました。

バナナ、キイチゴ、マンゴーを注文。

注文した3種類のジェラートは、白がバナナチョコレート、ピンクがキイチゴ、黄色がマンゴ。締めて5ユーロ
早速頬張ると、冷たさがしみわたる。朝からジェラートを食べるのは、随分前にシチリアを旅して以来(余談だが、シチリアの夏は、朝食にジェラートとブリオッシュが習慣)。新鮮なフルーツやミルクを原料とした“ヴィヴォリ”の自家製ジェラートは、コクがあるものの、さっぱりとした味わい。甘みと酸味、そして香りが口のなか一杯に広がります。
「これだ、これだ」。かつての記憶がくっきりと蘇る豊潤な風味。滞在先のホテルからちょっと離れていましたが、“ヴィヴォリ”に来て、やっぱり大満足でした。

ラボラトリオと称した店内でジェラートは製造される

店の中に「ラボラトリオ」と称した、ジェラートの製造室がある。この場でつくってすぐに売るからこそ、“ヴィヴォリ”のジェラートは別格の美味しさなのです
現在、4世代目が当主を務める“ヴィヴォリ”は1929年の創業。現存するジェラテリーアとしてフィレンツェ最古の店である。店の壁に掛けられたいくつかの写真は、創業当初の幸せに満ちた家族の顔が並び、まるで古い映画のワンシーンのよう。

私が専門とするクラシックなメンズファッションの世界は、伝統的な様式美を持ちます。ジェラテリーアの名門である“ヴィヴォリ”にも、規模こそ違え、伝統の味を文化として伝える共通の美意識を感じたのです。ジェラートは食べれば食べるほど奥深さにはまるのであります。

Vivoli(ヴィヴォリ)
住所/Via Dell'Isola delle Stinche, 7r 50122 Firenze
電話/055 292334
月曜日定休
http://vivoli.it/

フィレンツェのジェラートに負けない、本物のジェラートが味わえるイベントが8月31日、9月1日に横浜で開催されます。
矢部さんのように、ジェラートLOVERとなること必至。ぜひ足を運んでみてください。

「Gelato World Tour®(ジェラート・ワールド・ツアー®)」
開催日時:
2019年8月31日(土)10:00〜18:00
2019年9月1日(日)10:00〜17:00
会場:
大さん橋ホール – 横浜港大さん橋国際客船ターミナル
〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通1-1-4
入場料:
無料(試食や物販は有料。セミナー等は無料で参加いただけます)
テイスティングチケット(投票権付き):
前売券:1500円(販売期間:2019年7月1日~8月23日)
当日券:1700円
●1枚のチケットで4種類のジェラートがテイスティングできます。
●お一人様何枚でも購入可能です。
●前売券購入者特典として、前売券購入者のみが参加可能なプレゼント抽選企画を会期中に実施します。

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WRITER PROFILE
矢部 克已
矢部 克已

ファッションエディター&ジャーナリスト。『流行通信HOMME』『メンズクラブ』編集部を経て渡伊。2006~08年、ファッション、ライフスタイルウェブマガジンの先駆け、『DUCA』『Espresso per te』(現ソフトバンククリエイティブ)編集長を歴任。現在、雑誌編集のほか、ファッションブランドの企画&コンサルティング、トークショーやセミナーなどでも活躍。世界最大級のメンズファッションの展示会、ピッティ・ウォモは欠かさず取材する。

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