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FOOD 24 Oct 2019

【イタリア最高の産地を巡るワイン付きマガジン月刊DOCG】特別連載vol.5「ドルチェットの聖地を巡るⅡ 」

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ドルチェット種100%で造られるワイン“ドリアーニDOCG”を巡る旅

ピエモンテ州州都のトリノから南南東へ約60km、ワインと白トリュフで知られる魅惑の町アルバがあります。この町を取り囲むようにワインの銘醸地が広がっています。

ピエモンテの秋と言えば白トリュフ。パスタやリゾット、卵料理などにスライスして華やかな香りを楽しむ。
そのアルバから更に南南西に20kmほど行くとドリアーニという町があり、そこではドルチェット種100%で造られるワイン、“ドリアーニDOCG”が生産されています。親しみやすさと奥深さを併せ持つこの銘柄はデイリーワインとしても、長期熟成用としても楽しむことができます。

ピエモンテ名物“ボッリート・ミスト”。巨大な肉の塊を目の前で取り分けてくれる。
現地ドリアーニに行くとボッリート・ミストというピエモンテ州の郷土料理によく遭遇します。これは、牛のいろいろな部位を茹でた盛り合わせ料理で、ワゴンで運ばれてくる肉のスケールにはちょっと驚きます。舌や尾、頭……など、多い時は20箇所ぐらいを煮込むそうです。付け合わせのソースがポイントで、典型的なものは、煮詰めたブドウ、クルミ、ヘーゼルナッツで作られるクニャ。それ以外にもバニェット・ヴェルデというパセリ、ニンニク、オイル、アンチョビ、ケッパーで作られるソースなどがあります。

中でもCarrù(カルー)のボッリート・ミストは有名です。というのは1910年以来、毎年12月に何十人もの地元のブリーダーが牛を連れてカルーの中央広場に集まり、最も 太った牛が勝者という伝統のフィエラ・デル・ブエ・グラッソ (巨大牛祭り)に由来しているからです。巨大な牛が集合する様は圧巻です。
そして中世の時代から伝わる、このカルーのボッリート・ミストに合わせるのは、やはり地元の“ドリアーニ DOCG“なのです。

ドリアーニを知るきほんの「き」

この地域におけるブドウ栽培は、紀元前4世紀から行われていたという非常に古い歴史を持ちます。ドルチェット種起源の地とも言われ、現在でも植えられている品種の多くはドルチェットです。ドルチェットの品種名を冠した銘柄の中でも、ドリアーニは骨格のしっかりとした味わいに仕上がる傾向があります。

ネッビオーロ種よりも早く、通常9月半ばに収穫される。
元々はDolcetto di Dogliani Superiore という銘柄名で2005年に昇格したDOCGでした。それが当時DOCとしてあった「Dolcetto di Dogliani DOC」と「Dolcetto delle Langhe Monregalesi DOC」の2つのエリアを包括して、2011年に新たに「Dogliani DOCG」という名前で昇格しました。
ドリアーニ自体はアルバから車で約30分。人口5,000人程の小さなコムーネで、ドリアーニDOCGの生産エリアにはドリアーニとファリリアーノを中心とした21のコムーネが集結しています。特にファリリアーノはクオリティが高い産地として知られています。

ドリアーニDOCG

州:ピエモンテ DOCG昇格年:2011年 瓶詰めワイナリー数:89社 ブドウ品種:ドルチェット100% 法定熟成期間:1年以上(スーペリオーレを名乗るには、木樽熟成の必要があります。) ワインのタイプ:赤

※ラベル表示は、特定の畑のものはその畑名をラベルに表示することができます。ドリアーニ=ドルチェットという概念として、2011年から“Dolcetto di“ が銘柄名から外れ、品種名を名乗る必要がなくなりました。

今月のワイン

GILLARDI Dogliani DOCG “Cursalet”
ジッラルディ ドリアーニ “クルサレット”

驚くべき樹齢による上質ドルチェット

ドルチェットを栽培するには最も高い標高の450~500mの畑。南西向きで土壌は粘土と石灰が混ざっており、樹齢はなんと90年を越すという、大変貴重なブドウを使用しています。 9月末ごろに収穫し、ステンレスタンクのみで熟成。しっかりとしたルビー色で、プルーンのような黒系果実やスパ イス、アーモンドのような香りが印象的。フレッシュさもありながら 酸は強すぎず、上質なタンニンが心地よく感じられます。味わいに複雑みがあり、しっかりとした骨格で、更なる5~6年の熟成も期待できます。年間生産本数僅か6,000本。

希望小売価格: 5,500円(税込)※2019年10月現在
購入はコチラから

DATA
ヴィンテージ:2016 アルコール度数:14.0% ブドウ品種:ドルチェット100% 畑名:クルサレット

GILLARDI Dogliani DOCG “Maestra”
ジッラルディ ドリアーニ “マエストラ”

マエストラへの敬意を込めたワイン

ジッラルディのワイナリーの目の前に位置する急斜面のすり鉢状の畑。ブドウの平均樹齢は45年。中には樹齢60年のものまであります。2017年は非常に暑かった関係で、収穫は8月28日。通常より早めに行いました。
チェリーや木イチゴといった赤系果実、バラ、スパイスといった複雑な香り。すぐにでも楽しめますが、更なる3~4年の熟成も期待できます。
この畑の以前の所有者はマエストラ(イタリア語で女性教授の意味)でした。当時、現オーナーのジャコリーノさんのご両親はこの畑の耕作人でした。マエストラはこの土地を売買する際に、より有利な条件でたくさんのオファーがあったにもかかわらず、ブドウ栽培者のGILLARDI家に売ることを選んだのです。非常に人望の厚い彼女への感謝の気持ちから、この畑のブドウから造られ るワインに“マエストラ”という名前を付けたそうです。
希望小売価格:4,400円(税込)※2019年10月現在
購入はコチラから

DATA
ヴィンテージ:2017 アルコール度数:14.0% ブドウ品種:ドルチェット100%

【月刊DOCG】とは?

希少で個性豊かなイタリアワインの輸入・販売を行う株式会社Vino Hayashiによる、イタリアの「地酒」の最高峰であるDOCG銘柄のワインと、生産地の旅情報を掲載したマガジン【月刊DOCG】を2019年3月から発行しています。約5年で全74銘柄を網羅する予定。メジャーなのにマニアックなDOCGワインの旅へあなたをお連れします。ライターはイタリアソムリエ協会認定ソムリエの鶴岡 恵さん。
注文はこちらからhttps://store.vinohayashi.com/lp/docg/

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WRITER PROFILE
Vino Hayashi
Vino Hayashi

6年半に渡り、イタリアで最も長くミシュラン三つ星を維持するリストランテ・ダル・ペスカトーレ(イタリア北部マントヴァ)のシェフソムリエ を勤めた林 基就は、イタリア国際ワインアワードでは『オスカー・デル・ヴィーノ2012』にて、アジア人初の「最優秀ソムリエ賞」を受賞。2010年に、ワインの輸入・販売事業を行う株式会社Vino Hayashiを、実弟の元商社マンである林 功二と共に設立。これまでイタリア国内のみでしか流通されていなかった、希少で個性豊かなイタリアワインを中心にお届けしています。http://store.vinohayashi.jp/

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