FOOD 27 Aug 2018

西荻窪・トラットリア 29のがっつり系モンテビアンコ&ティラミス|東京ドルチェリレー【第2回】

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思わず誰かにおすすめしたくなるようなおいしいドルチェが食べられる東京都内のショップを、数珠つなぎのようにご紹介していく連載コラム「東京ドルチェリレー」。スイーツのプロがハマった、通(ツウ)なドルチェをぞくぞくご案内します!

【「東京ドルチェリレー」シリーズ一覧はこちら】

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今回ご紹介するのは、西荻窪駅にあるおしゃれなイタリアン〈トラットリア 29〉。イタリア仕込みのジューシィな肉料理をお腹いっぱい食べられる人気レストランです。前回訪れた〈ジェラテリア シンチェリータ〉の中井さんがハマるほどですから、ドルチェのクオリティも確かなはず。ということで、店内に入ってみましょう。

お出迎えしてくれたのは、優しそうな人柄がにじみ出ている、オーナーシェフの竹内悠介さん。あがるイタリア編集部は早速、おすすめのドルチェについてたずねてみました。

モンテビアンコって何だか、わかりますか?

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——竹内さん、よろしくお願いします! 早速なのですが、おすすめのドルチェを教えてください!

それでは、「モンテビアンコ」はいかがでしょう? モンテビアンコって何だかわかりますか?

——ええと、何だろう…。

正解は、いわゆる「モンブラン」です。イタリアでは「モンテビアンコ」と言うんですよ。

——そうなんですね。モンブランという名前自体はフランス語ということもあって、フランスのお菓子というイメージが強いですが、イタリアでもポピュラーなのですか?

はい、イタリアでもかなりポピュラーなドルチェですよ。フランスのものもイタリアのものも、両国の国境にある山、モンブランをイメージして作られています。フランスの人はフランスが発祥と、イタリアの人は北イタリアのビエモンテ地方の郷土菓子が発祥と言いますが(笑)、諸説あるようです。

——へえ、知らなかった!

発祥についてはともかく、個人的にはイタリアのモンテビアンコの方が本来のイメージには近いと思うんです。だって、フランスのものを見て、山のモンブランを思い浮かべますか!?

——フランスのものは見た目が人工的過ぎると言うか…。

そうそう。崖が切り立っているようなトゲトゲしさがフランスのものにはないんですよ。

——なるほど、確かにそうですね。

うちにいらっしゃるお客さまのほとんどは、モンブランと言えばフランスのものをイメージされてくるので、お出しした瞬間は「え? これがモンブラン?」という顔をされますが、これがイタリア流なんですよとご説明します。こういったコミュニケーションもまた楽しんですよ(笑)。

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こちらがそのモンテビアンコです。早速いただいてみましょう。

生クリームとメレンゲ、そしてマロングラッセが絡み合った味や食感はまさにモンブラン。ただ、メレンゲはコーヒーの味、そしてマロングラッセはアマレットに漬けてアンズの味と香りをプラスしているなど、随所に竹内さんのアレンジが加わっています。

パンチの効いた味わいで食べ応え十分ですが、全体的には大人の味に仕上がっていて、クドさもないのでペロッと食べられます。

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また、モンテビアンコづくりでポピュラーな手法として、粉砂糖をかけて降り積もる雪を表現するということがありますが、竹内さんはさらにココアパウダーもかけています。「雪が積もっていない部分も表現した」という見た目へのこだわりもニクいですね。

*なお、こちらは12月から1月までの期間限定だそうなので、提供の期間をお確かめの上、お出かけください。

「引く」というアレンジを施したシンプルティラミス

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——ああ、美味しかった…! でも、まだイケるなあ。竹内さん、他にもおすすめのドルチェはありますか?

そうですね、イタリアということですから、やはり定番のティラミスはいかがですか?

——ティラミス! 待ってました!

このティラミスは私がイタリアで修業していた時に教わったレシピをそのまま使っているので、まさにイタリアの本場そのものの味になっています。

——竹内さんなりのアレンジはあえて加えていないのですか?

作り手によってティラミスにもさまざまな個性があると思うのですが、レシピを教えてくださった方はとにかくシンプルなティラミスが好きだと言っていたんですよ。だから私も余計な要素は加えないようにしています。こちらは、実際に食べていただいた方が早いかもしれません。

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ということで、ティラミスもいただきます。

竹内さんがおっしゃる通り、クリームとマスカルポーネを中心とした、老若男女に愛されるようなとてもシンプルな味わい。そこに程よい苦味とコクのある淹れたてのエスプレッソがアクセントとなり、奥深さがプラスされています。

また、ティラミスにはマルサラ酒と呼ばれるシチリアのお酒が使われることが多いのですが、こちらはアルコールを一切使っていません。

「何も加えるだけがアレンジではありません。言わば引くというアレンジをしたティラミスですね」という竹内さんの名言に心を打たれつつ、あっという間に食べ終えてしまいました。

イタリアのドルチェは自由だから面白い

——いやあ、こちらも美味しかったです、ごちそうさまでした。モンテビアンコもティラミスも重量級と言いますか、がっつり系のドルチェだったので甘いもの好きの私には大満足でした!

がっつり系の代表格であるお肉がうちの看板メニューなのですが、ドルチェもそれに負けないような味にしています。なぜなら、私自身が好きな味ですから(笑)。

——素敵です(笑)。ところで竹内さん、イタリアのドルチェの魅力ってどういったところにあるのですか?

そうですね、イタリアのドルチェって、それこそフランスとかに比べて、なんというか、自由なんですよ。

——自由、と言いますと?

例えばモンテビアンコなら、メレンゲに生クリーム、マロングラッセなどを使った、モンブランの山々をイメージしたドルチェ、というざっくりとしたベースはあるものの、作る人によってアレンジの振り幅が大きいんです。例えばレーズンをプラスしたり、チョコチップを入れてみたり。ティラミスもそう。私が出会った中ではバナナが入っているようなものもありました。

——へえ、そうなのですね。

レシピに対する考え方も面白くて、フランスや日本では、分量をミリ単位で細かく設定するのが普通だと思うのですが、イタリアのレストランでは結構さじ加減が多いんですよ。

——そうなんですか!?

もちろんお店によって一概には言えないですが、実感としてはそう思います。私が修業していたレストランでも、量に関してはおおざっぱに教えられることが多くて、私は実際にはどのくらいの分量を入れているのかを分析して、自分なりのレシピに落とし込んでいました。

——それは大変そう…!

でも決して不味くはなく、むしろめちゃくちゃ美味しいし、味のバラつきもほとんどないんですよ。なぜそんなことができるのだろうと考えたのですが、それはひとえに経験だと思い至ったんです。

——経験、ですか。

その経験は、ほんの数年程度の話ではありません。子どもの頃から両親がドルチェを作ってくれる様子を見たり、時には手伝ったりしながら長い期間をかけて蓄積された結果として、絶妙なさじ加減ができるのです。私たちだって、お母さんが作ってくれたお味噌汁の味を知っているから、正確な分量でなくとも美味しいお味噌汁を作れるじゃないですか。

——ああ、なるほど。

食に関してとても洗練されているイタリアですから、長い歴史の中で美味しいドルチェづくりというものが染み付いているのかもしれません。私は年に1回は必ずイタリアに行って、各地の料理を食べているのですが、うちのメニューづくりに活かせるようなヒントをいつもたくさん得られます。

——そうなのですね。

だからこれからも、イタリアの美味しい料理をたくさん食べて、その中から一つでも多くのものを持って帰ってきたいと思います。

竹内さんがハマったドルチェは?

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——最後に、竹内さんおすすめのドルチェが食べられる都内のショップを教えていただけますか?

〈オルトレヴィーノ〉はドルチェを含めとても美味しいイタリアのフードを食べられるので、ぜひおすすめしたいです。ちなみにそこのオーナーである古澤一記さんは、かつて同じお店で働いていたこともある、私の大先輩です。

——おお、いいですね! どちらにあるのですか?

…鎌倉です。

——え…!?

ごめんなさい、都内ではないのですが、本当に美味しいのでぜひ一度食べてみてください。

いかがでしたか? スイーツ好き、そしてお肉好きの胃も心もガシッと掴む、イタリア仕込みのがっつり系絶品ドルチェ。2017年を頑張ったご褒美として、2018年をパワフルに過ごす活力として、思う存分味わってみてはいかがでしょうか。

次回は竹内さんがハマった、鎌倉の〈オルトレヴィーノ〉のドルチェをご紹介したいと思います!

【「東京ドルチェリレー」シリーズ一覧はこちら】

INFORMATION
trattoria 29(トラットリア 29)
住所:東京都杉並区西荻北2-2-17 Aフラッツ
TEL:03-3301-4277
営業時間: 11:30〜13:30(LO)、18:00〜22:00LO
定休日:月曜(月に2回、火曜と連休あり)
http://trattoria29.jugem.jp

【初出:この記事は2017年12月20日、初公開されました@AGARU ITALIA】

WRITER PROFILE
あがるイタリア AGARU ITALIA
あがるイタリア AGARU ITALIA

Webマガジン「AGARU ITALIA(あがるイタリア)」は、 気分があがる(ドキドキしちゃう!)イタリア情報を届けるメディアとして、2017年9月~2018年5月まで運営(主催:イタリア大使館、サイト運営:株式会社三越伊勢丹)。2018年7月、Webマガジン「SHOP ITALIA」と合併しました。

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