COLUMN
FOOD 11 Oct 2019

Jaffaが教えるナポリピッツァの真実Vol.04 「色々なマルゲリータを食べてみよう」

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ピッツァの定番マルゲリータの選び方

「マルゲリータ」というとピッツァの定番ですが、お店によっては「マルゲリータエクストラ」「ブファリーナ」「S.T.G」「D.O.C」など、メニューに色々なマルゲリータが載っていることがあります。しかも、それぞれにオプションでルッコラを乗せたり、アンチョビを乗せたり出来るから、余計ややこしくなって、結局「普通のマルゲリータをお願いします!」なんて注文する人も多いと思います。
そこで今回はナポリピッツァのお店に行ったときに、悩まないマルゲリータの解説をしたいと思います。
解説と書いていますが、お店によっては異なるケースもあるので、参考程度にどうぞ。

まずは定番の「マルゲリータ」!

上の写真は新日本橋にOPENして話題のコレド室町テラスに誕生したナポリNo.1の人気ピッツェリア「Gino Sorbillo」のマルゲリータ。
基本となるピッツァ「マルゲリータ」は、当連載のVol.01でも解説したように、1889年にイタリア統一を果たしたウンベルト一世の王妃マルゲリータが、ナポリを訪問して食べた時から「マルゲリータ」と呼ばれるようになりました。生地の上にトマトソース、モッツァレラチーズ、バジリコ、オリーブオイルをトッピングしたシンプルで美味しいピッツァです。
トマトの赤、モッツァレラチーズの白、バジリコの緑が、イタリアの国旗をイメージさせることからイタリアを代表するピッツァになりました。

「マルゲリータ・エクストラ」

「ペルテ」で鈴川氏が焼いたマルゲリータ500

写真は今年の4月に千葉の稲毛にOPENしてお気に入りの「ペルテ」で鈴川氏が焼いたマルゲリータ500(マルゲリータエクストラ)。
昨年の日本大会で500点満点をとって優勝したピッツァなのでマルゲリータ500と名付けています。

マルゲリータのモッツァレラチーズは、「フィオール・ディ・ラッテ」という牛乳を使ったモッツァレラチーズを使いますが、これの代わりに乳脂肪分が濃くて高価な「水牛のミルクを使ったモッツァレラチーズ(Mozzarella di Bufala)」を使って作ると「マルゲリータ・エクストラ」になります。
見た目はマルゲリータと同じですが、圧倒的にミルクの味が濃い「水牛のモッツァレラチーズ」はとても美味しいので、毎週イタリアから空輸されるフレッシュな水牛のモッツァレラチーズを使えるお店なら、ちょっと贅沢をして「マルゲリータエクストラ」にすることをお薦めします。

「ブファリーナ」

永福町「ラ・ピッコラターヴォラ」のSimoneが焼いたブファリーナ

上の写真は僕の好きな永福町「ラ・ピッコラターヴォラ」のSimoneが焼いたブファリーナです。
店によってはマルゲリータエクストラと同じ場合もありますが、マルゲリータエクストラにミニトマトをトッピングしたものをブファリーナと呼ぶことが多いです。
D.O.CやS.T.Gとの違いはトマトソースが通常のマルゲリータと変わらない量で、チェリートマトが乗ったトマト好きの人のための高級マルゲリータです。

「D.O.C.」と「S.T.G.」

ナポリピッツァの専門店に行くと、メニューに「Pizza D.O.C.」や「S.T.G.」というピッツァを見ることがあると思います。
D.O.C.とは「Denominazione di Origine Controllata (原産地呼称統制)」の略です。※1992年からは D.O.P.(Denominazione d’Origine Protetta):原産地呼称保護に変わりました。
特にピッツァD.O.Cの場合は、ナポリのあるカンパーニャ州のD.O.C認定モッツァレラチーズを使うことになっていましたが、現在では下の写真で拡大したD.O.P認定マークのことですね。

カンパーニャ州のD.O.C(現在はD.O.P.)認定を受けた水牛のモッツァレラチーズ

以前の「真のナポリピッツァ協会技術教本」のレシピでは、少量のトマトソースを塗った生地に、カンパーニャ州のD.O.C(現在はD.O.P.)認定を受けた水牛のモッツァレラチーズを乗せて、フレッシュチェリ-トマト、バジリコ、食塩、EXVオリーブオイルを散りばめて焼いたものがPIZZA D.O.C.となっていました。
つまり少量のトマトソースがあるのが、元々のD.O.Cのレシピです。
上で紹介した「マルゲリータエクストラ」のトマトソースの代わりにフレッシュなチェリートマトを使うのですから、更に1ランク上の贅沢を楽しめます。
お店によってトマトソースを使う店と、ミニトマトだけで、トマトソースを使わない店があることにお気付きの方はかなりの通です。

三軒茶屋「ラルテ」で少量のトマトソースを使ったD.O.C

三軒茶屋「ラルテ」で少量のトマトソースを使ったD.O.C

上の写真は三軒茶屋「ラルテ」で少量のトマトソースを使ったD.O.C。
私も初めのうちはトマトソースを使わない方がD.O.Cで、使う方はマルゲリータ・エクストラだと思っていました。
2004年に認定されたEUのSTG規格のレシピで作った「マルゲリータ・エクストラS.T.G」は、トマトソースを使わずにフレッシュなチェリートマトのみを使用することになっています。

この「STG」とはEUで定める「伝統的特産品保証(Specialita Tradizionale Garantita)」のことで、昔ながらの製法を守って作られる食品に対して認められるヨーロッパ統一規格の称号です。

ヨーロッパの統一規格がトマトソース無しになったことで、ナポリでもこのトマトソース無しのD.O.C.を認めたため、現在では真のナポリピッツァ協会の認定店でも、少量のトマトソースを使うD.O.Cと、トマトソースを使わないD.O.Cが混在しているようです。

稲毛の「ペルテ」のトマトソースを使わないD.O.C

上の写真は稲毛の「ペルテ」のトマトソースを使わないD.O.C、2枚目のマルゲリータエクストラの写真と比較してみてください。
マルゲリータには、トマトソースは「あり・少なめ・なし」、モッツァレラチーズは「乳牛(さっぱり)・水牛(濃厚なミルク)」。これの組み合わせで、自分の好みをみつければもう迷いません!!

さあ、今日は熱々のマルゲリータをビールやワインと一緒に楽しんでくださいね。
「Buon appetito!!(さあ、召しあがれ!)」

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WRITER PROFILE
Jaffa
Jaffa

ブログ「旨いナポリピッツァ」主宰で、食べ歩きオールスターズ「食べあるキング」のナポリピッツァ担当として活躍中。これまでに3500枚を越えるナポリピッツァを食べ歩き、知識と経験だけではない交友関係の広さから、TV、ラジオ、雑誌等でナポリピッツァの企画や解説、百貨店催事やグルメイベントのプロデュース、ピッツァ職人コンテストの審査員やステージ解説、レストランのメニュー開発など、ナポリピッツァに関わることを総合的に企画。ピッツァの本国ナポリにある「真のナポリピッツァ協会ナポリ本部」から、日本人では唯一の公式ブロガーとして認定されています。Instagramでは、ナポリピッツァの画像を中心に情報発信をしています。 「blog」https://ameblo.jp/pizzanapoletana 「Instagram」https://www.instagram.com/jaffapizza/

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