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FOOD 07 May 2019

Italian espresso day③「お店でのエスプレッソの楽しみ方。エスプレッソを使ったカクテルについて」

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夏に飲むエスプレッソ、カッフェシャケラートの魅力

これまでの2話でイタリアのカフェやバールでのイタリア人のエスプレッソの楽しみ方、そしてイタリアンエスプレッソ、カップッチーノの基準など知っていただきました。美味しいイタリアンエスプレッソとはどんなものかを認識していただいたと思いますので、今回は、お店でのエスプレッソの楽しみ方をご紹介します。

日本のカフェだとおそらくエスプレッソ以外のメニューといえばカップッチーノ、マッキャートやチョコを足したマロッキーノ、ヘーゼルナッツを混ぜたカッフェノッチョラート程度かと思います。

これから徐々に暖かくなってきますので、冷たいものも欲しくなる季節ですね。イタリアでは夏場でも冷たいエスプレッソメニューを楽しむことは殆どありません。が、冷たいエスプッソメニューも多少あります。

それはカッフェシャケラートとカッフェコンギアッチです。

カッフェシャケラート(画像トップ)は、エスプレッソを抽出した後、エスプレッソと氷・砂糖などを入れてシェイカーで振ったものです。筆者は砂糖をしっかり入れて少しナッツ系リキュールも足すのが好きなスタイルです。

またカッフェコンギアッチはグラスに氷を入れて、抽出したエスプレッソを注ぐだけのシンプルなメニューです。美味しいエスプレッソは、それ自体に味わい深く柑橘系やチョコやバニラのようなニュアンスもありますので、氷で急冷したりシェイクをしても、このニュアンスが残ってとても美味しく楽しめるんです。

イタリアのバールではメニューが店内になかったり、もしあったとしても基本的なメニューだけを表示の場合があります。ですが日本と違ってお客様のリクエストにあわせてオーダーメイドでドリンクを作るのが、イタリアンバールです。そのため、ある程度ちゃんとしたバールに行けば、オーダーさえすれば作ってくれます。日本にもイタリアンスタイルのカフェやバールがありますので、もし近くにあれば、バリスタにオーダーしてみると作ってくれると思います。

ただ筆者も経験がありますが、暑い日にひとりのお客様がカッフェシャケラートをオーダーし、それをカウンターで作っていると、他のお客様もシェイクする音や、それを美味しそうに飲んでいる人を見て、相次いで同じものをオーダーされます。その結果、連続してひたすらカッフェシャケラートを作ることになり、腕が上がらなくなったことがあります。

ディナーではエスプレッソのカクテルを楽しむ

イタリアンレストランでの夕食時は食後にエスプレッソを飲む方も多いと思います。お酒が好きな方は、それ以外にも食後酒としてグラッパやリキュールを飲むかと。そしてより通な方はカッフェコレットを頼むのではないでしょうか。

カッフェコレットは、エスプレッソにグラッパやアニスのリキュールなどを入れる飲み方です。これは両方の美味しさを楽しめるので、イタリアンレストランでは時々見かけます。

筆者の楽しみ方は、これに少しアレンジをしたカッフェレゼンチンという飲み方です。とてもマイナーな飲み方なのでお店の方も知らないかもしれません。エスプレッソに砂糖を溶かして美味しく飲み干したエスプレッソカップにグラッパやアクアヴィーテ、リキュール類を入れて、そのリキュールでエスプレッソの飲み跡をリンスして飲みます。

オススメはフルーティで樽香のないグラッパやリキュールかリモンチェッロなどを入れるスタイルです。香りが程よく残った飲み跡とリキュールとが混ざり合わすことにより、カッフェコレットよりも両方のキャラクターが引き立ちリキュールのアルコール感も和らぎます。

トラットリアやカジュアルなイタリアンレストランで食事されるときに、いつもとちょっとひねりを入れて食後酒を楽しみたいときには、ぜひトライして欲しいですね。

カッフェコレットだけでなく、エスプレッソを使ったエスプレッソカクテルは色々な種類があります。比較的メジャーというか昔からあるメニューだと、アイリッシュウィスキーと生クリームを使ったアイリッシュコーヒー、スタンダードのアレクサンダーにコーヒーリキュールやエスプレッソを足したりしたものなどがあります。

普段日本のバーに行ってもコーヒーやエスプレッソを使用したカクテルと出会うことは殆どありませんし、ましてやリストランテやトラットリアでもメニューにもなく、作ってくれるお店は皆無と言って良いと思います。

イタリアでもエスプレッソカクテルを飲むことができるカッフェバールは殆どなく、まだまだ新鮮なカクテルだと思います。そのため、筆者がイタリアでのイベントでバリスタとしてカフェを作る際に、バリスタとバーテンダーでコラボして、エスプレッソカクテルを作るということがよくあります。イタリアでも物珍しいので、多くの来場者が興味を持って、そして美味しく楽しまれます。

このときに使用するのは、もちろんエスプレッソですが、それ以外にもナポリコーヒーやモカコーヒーを使用することもあります。そしてあわせるリキュールはウォッカやジン・ラムなどのスタンダードなものだけでなく、カンパリやアペロール・ベルモットなどのハーブリキュールやアプリコットなどのジュースやソーダ・トニック、ハーブなどいろいろなものを合わせていきます。ですからそれを見ている方たちは飲むまでは味の想像ができません。しかし飲んでみると、まるで喧嘩しそうな味わいのカッフェとリキュールやジュースが絶妙なバランスで調和します。ですからいつもカクテルコーナーは大勢のイタリア人が集まって、アペリティーボを楽しむ繁盛店バールのようになってしまいます。

エスプレッソモヒートを知っていますか?

最近筆者が好きなコーヒーカクテルで家庭でも比較的簡単に作ることができるものとして、エスプレッソジントニックとエスプレッソモヒートがあります。エスプレッソジントニックはその名の通り、ジントニックにエスプレッソが足されたものです。

クラフトジンがブームですので、色々な香りのジンが手に入りますね。エスプレッソは柑橘やチョコ・キャラメル・バニラ・ナッツなどの香りがありますから、これらを感じ取れるジンとあわせ、アクセントでレモンピールやローズマリーを添えると絶妙なカクテルに変身します。

また、エスプレッソモヒートもラムをベースとしたモヒートにエスプレッソをあわせるだけのシンプルなカクテルです。エスプレッソはラムやミント・ライムともとても相性がよく、これも作り方は簡単なので、ご家庭でも比較的作りやすいのではと思います。

昨年、筆者はミシュラン星付きイタリアンのリストランテホンダさんでエスプレッソと料理のマリアージュイベントをさていただきました。この時、本多シェフの繊細な料理を楽しんで頂くためのアペリティーボ(食前酒)としてエスプレッソジントニックとエスプレッソモヒートをお客様に提供させて頂きました。

全てのお客様が、この不思議な食前酒を飲んでとても美味しいことにびっくりし、さらにこれらの食前酒が、本多シェフが作ったアペリティフや前菜と絶妙に相性の良いことに非常に喜ばれていました。

色々な豆をブレンドし複雑かつ味わい深く余韻もしっかりとあるイタリアンエスプレッソだからこそ、カクテルに使っても、そして前菜などとあわせるドリンクとしても楽しむことができます。

3回にわたり、イタリアンエスプレッソの楽しみ方をお伝えさせて頂きましたが、これほど楽しめて、味わうことで嬉しく豊かになることができるドリンクは少ないと思います。
ぜひ普段の生活のアクセントとして、楽しんでいただけることを期待しています。

撮影協力/東京・青山「カ・モンテ」東京・青山「リストランテホンダ」イタリア・ナポリ「KIMBO」

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WRITER PROFILE
中川 直也 Naoya Nakagawa
中川 直也 Naoya Nakagawa

イタリア国際カフェテイスティング協会(IIAC)認定講師、IIACマスタープロフェッショナルの称号を持つ。 イタリアのカフェや食品業界に長く携わり、イタリアエスプレッソ普及活動およびイタリア食文化啓蒙活動を積極的に行っている。日本バリスタ協会インストラクター。イタリアエスプレッソ協会(INEI)エスプレッソスペシャリスト。 モンテ物産株式会社 KIMBOブランド顧問 facebook https://www.facebook.com/naoya.nakagawa instagram https://www.instagram.com/naoyanakagawa/

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