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FOOD 04 Jul 2019

ペペロッソ今井和正の冒険「カラブリア州チヴィタで学んだマンマの郷土料理」

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イタリアの古き良き田舎生活が詰まっています

レッジョ・ディ・カラブリアの海沿い道路

ターラントからレッジョ・ディ・カラブリアへと続く欧州自動車道路(Trans European Motorway)のクラスAであるE90。イタリアの地を靴に見立てた場合の土踏まずに当たる部分を走っています。海沿いの気持ちのいい道で、風光明媚な島々を有するイオニア海を横目に楽しむことができます。運転中にて撮影が難しく若干わかりずらいですが、かなり綺麗です。

E90は諸外国と合わせるとなんと全長4770kmありリスボンやマドリード、バルセロナを通り、イタリアではパレルモ、メッシーナへと通ずる道。

イタリアの欧州自動車道から国道へ

E90を降り、同自動車道路のSS92へと移ります。SSとは”Strada Statale”の略。州道つまり国道となります。 さらに、SP263にていよいよ目的地のCIVITA(チヴィタ)に到着するわけです。ちなみにSPは地方道路”Strada Provinciale”の略 。基本的には、州が所有し管理している道を意味します。

イタリアの地方道路SPで地方を感じる

個人的にSPと名前のつく道が大好きで、イタリアの地方感満載の雰囲気のある景色を楽しむことができます。

チヴィタの街の入口にはスカンデルベグの壁画が

チヴィタの街に入るとすぐに大きなスカンデルベグ(1405 – 1468)の壁画がお出迎えしてくれます。

本名は”ジェルジ・カストリオティ” 。中世アルバニアの領主。ローマ教皇から「キリストの戦士」の称号を与えられたキリスト教世界の英雄。

オスマン帝国のヨーロッパへの侵略と戦い、その功績から民族的英雄と評価され、アルバニアの25年間にわたっての独立運動に貢献した人物。無敵伝説をも持ちます。

アルバニア系イタリア人のことをアンブレッシュという

祖先をアルバニアに属するアルバニア系イタリア人のことを、アルブレッシュ(Arbereshe)といいます。
南イタリアに点在するアルブレッシュの街では、必ずと言っていいほど、英雄スカンデルベグの銅像を目にします。この銅像を見るとアルブレッシュのエリアなんだなぁ~とすぐにわかります。

アルブレッシュの集落はイタリアに約50あると言われています。チーロで出会ったアルブレッシュのおばちゃんは55が真実!と言っていました。その一言を聞いただけでも、時間をかけてアルブレッシュについて掘り下げる必要があり、歴史の浪漫を感じてしまいました。

イタリアにはアルブレッシュの集落が約50ある

アルブレッシュの街である事を意味する。

チヴィタの郷土料理店「L'oste d'Arberia」

今回チヴィタの事を教えてくださったのは、カラブリア料理店というよりは、もっとマニアックなチヴィタの郷土料理専門店と呼ぶ方がふさわしい「L’oste d’Arberia」の皆さん。家族経営のハートフルな皆さんにはとてもお世話になりました。

マンマの家庭料理こそイタリア料理の神髄

イタリア料理はマンマの料理とも言われます

イタリア料理はマンマの料理とも言われています。マンマのマンマから受け継がれた伝統を今のマンマが守ります。そしてまたマンマの子供がそれを継承する。このサイクルによってイタリア各地に残る郷土料理は伝承され、現代へと受け継がれてきているわけです。

道具は変われどイタリア伝統料理への継承は変わらず

現在形で受け継がれる伝統。

マンマといえば手打ちパスタ

マンマと言えば愛情たっぷりの手打ちパスタ。
今回は、チヴィタの伝統的なパスタを2種類受け継ぎます。

チヴィタの伝統的なパスタ「ラシュカテエッリ」

今回料理するのは、「maccheroni(マッケローニ)」または「fusilli(フジッリ)」と呼ばれるものです。現地の言葉では、「raskatjel(ラシュカティエッリィ)」と呼ばれるパスタで金串で木の板に擦り付けるようにして造ります。
チヴィタではヤギとトマトのラグーと合わせて食べる事が多いです。クリスマスやパスクアに食べる料理でもあります。提供する際にはテーブルにペコリーノチーズを置いてお好みでかけるスタイルが一般的。

手打ちパスタだからこそ不均質になる

このように不均質の溝が入り込むところが“手作りの証拠”と楽しそうに語るマンマ。

南イタリア特産のパスタ「カヴァテッリ」

こちらは日本のイタリアンレストランでもよく目にする「cavatelli(カヴァテッリ)」というパスタ。南イタリアの多くの地域で造られているパスタで、地方によっては同じ形でも異なる名前で呼ばれる事があるパスタ。チヴィタでは「strangulet(ストラングゥイエ)」と呼ばれる。
今回のは両手の指先で1つのパスタを造る製法。マンマの手打ちパスタ造りは本当に手早くてぜひ現地でそのスピードを体験してほしい。

チヴィタのマンマがドルチェを教えてくれた

日本人がチヴィタの料理を勉強しに来ているという事を聞きつけて、私にドルチェを教えに来てくれた近所に住むマンマ。街中がアットホームでのんびりとした空気が流れ、心の豊かさが染み渡る。

トリュフのような見た目のスイーツ「タルトゥーフォ」

余ったビスケットと、ヌテッラ、カカオで造られた「タルトゥーフォ」つまりトリュフと呼ばれるドルチェ。見た目がトリュフですね!

チヴィタの郷土料理を4皿ご紹介します

ラガーネというパスタに豆とトマトソースをあえた一皿

ではこれからチヴィタの郷土料理をいくつか紹介します。まずは、
「LAGANE E FAGIOLI BIO(ラガーネ・エ・ファジョッリ・ビオ)」
ラガーネと呼ばれる棒状のパスタに、トマトソースと豆(FAGIOLI)をあえた、滋味深い味わいの一皿。

ヤギの内臓を山の水で下処理して、甘唐辛子で痛めた一皿

「INTERIORA DI CAPRETTO(インテリオラ・ディ・カプレット)」
子ヤギ(CAPRETTO)の内臓(INTERIORA)を、チヴィタの豊富な山の水で数時間下処理し、甘唐辛子等で炒めた料理。

山に囲まれたチヴィタは水が豊富

2種類のパスタが使われる「フィラテッリ」

「FILATELLI AL SUGO DI BACCLA E PANE PROFUMATO(フィラテッリ・アル・スーゴ・ディ・バッカラ・エ・パン・プロフマート)」
フィラテッリと呼ばれるパスタ。緑色のパスタはオルティカを練りこんで色をつけている。2種類のパスタが1皿に盛り込まれた珍しいパスタ。山の魚といえばバッカラ。甘唐辛子の香りを纏わせたパン粉をかけた山の魚料理。

ヤギのオーブン焼きはチヴィタの名物

「CAPLETTO AL FORNO(カプレット・アル・フォルノ)」
ヤギのオーブン焼き。チヴィタといえばヤギ料理。ヤギ自体がもつ脂によってコンフィのような状態になっている。見た目に反したジューシーさ。

チヴィタの街をFIAT500で走る!

クラシックなFIAT500は今でも現役

チヴィタのような道の狭い小さいな街では、やはりFIAT500が大活躍。

FIAT500に4人が乗り込み、チヴィタを散策

皆でFIAT500に乗り込んでチヴィタを散策。小さい街なので、すぐに一回りできちゃいます。

チヴィタの街で見つけた人の顔をした家

チヴィタの街を進んでいくと”CASE KODRA”と呼ばれる人の顔をした、石造りの家に出会うことがあります。目が窓、口が扉、鼻が煙突というユニークな造り。これ目当てくる観光客もいるそうで、街を活気づける家として注目されています。他にも数件あるので探してみてください。

それぞれの家の煙突はデザインがみな異なる

屋根の上に煙突があるのがわかりますでしょうか? よく見ると家ごとに煙突の形が異なります。

煙突には魔よけの意味がある

家庭ごとに異なる形の煙突を持つチヴィタの家。 煙突は、魔除けの役割も持っているので、それが理由でしょう。

唐辛子を干す家庭は多い

ペペローニを干す光景こそ、カラブリアを感じる。家庭の軒先でよく見るスタイル。

ポッターリ国立公園は東京ドーム4万2500個分の広さ

ポッリーノ国立公園(約20万ヘクタールで約東京ドーム4万2500個分)はイタリアにある国立公園の中で一番広い公園。その中にあるチヴィタ。

谷間に流れるラガネッロ川はキャニオニングの名所でもある

キャニオニングで有名なラガネッロ川。夏は多くの人で賑わいます。“悪魔の橋”と言われる絶景ポイントもあるのでお見逃しなく。

古き良き田舎生活がチヴィタにはある

山の国立公園内にあるだけあって、スケール感が凄いです。大自然の中に共存するチヴィタの生活。“il paese tra le rocce”と呼ばれ、文字通り岩の間にあるのがチヴィタ。アルバニア人の家族によって造られた街。人口1000以下の小さい街。道行く人が皆知り合いになれてしまうアットホームな街。歴史や伝統を重んじて心豊かに暮らすそんな街、チヴィタにはイタリアの良き田舎生活が詰まっています。
“I borghi più belli d’Italia”と呼ばれる、イタリアの最も美しい村の1つでもあるチヴィタで、心身ともに美しいスローライフで癒されてみては?

自然と伝統料理に囲まれたチヴィタ生活

AMORE♡

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WRITER PROFILE
今井 和正 Kazumasa Imai
今井 和正 Kazumasa Imai

東京・池ノ上「ペペロッソ」 総料理長。1984年、千葉県四街道市生まれ。エコールキュリネール国立辻調理師専門学校卒業後、広尾「イルブッテロ」、南麻布「インカント」副料理長を経て、2015年、「ペペロッソ」総料理長に就任。年に2度、イタリアへ渡り、鮮度の高い❝今❞のイタリア郷土料理の風を三軒茶屋に吹かしている。❝粉❞を愛し、手打ち生パスタやイタリア郷土のパン作りを得意とする。イタリアの地方の小規模生産者さんを大切に想い、イタリアの地方産業の活性化を日々こころがけている。 ❝ペペロッソにしかないイタリアの食材❞シリーズはその活動の賜物である。 www.instagram.com/kazumasaimai/

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