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FOOD 08 Nov 2019

食欲の秋到来! イタリア人の大好物「栗」を求めてトスカーナの小さなコムーネ、モンテミニャーイオの収穫祭へ

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イタリアの栗を使ったお菓子と秋の味覚

イタリアのトスカーナ州も秋が深まり、フィレンツェの周囲の山々は美しい紅葉風景が広がっています。この時期はイタリアでもキノコ狩りや栗拾いが楽しめ、週末になると秋の味覚を提供するサグラ(収穫祭、街が開催する食のお祭り)が各地で開かれます。

ところで皆さんはイタリアの栗のお菓子をどれだけご存知でしょうか。日本の栗のお菓子といえば、栗きんとんや栗の渋皮煮や甘露煮。それからモンブランやマロングラッセ、天津甘栗など様々な栗のお菓子があります。イタリアにも栗のお菓子はいくつもあるのですが、日本ではあまり知られていないものがまだまだあります。

最もポピュラーな食べ方は焼き栗

イタリアの秋の味覚、栗のもっともポピュラーな食べ方は焼き栗

イタリアでの栗の食べ方といえば焼き栗が最もポピュラーです。秋から冬にかけてイタリアを訪れたことがある人なら街角の屋台で売られている香ばしい焼き栗を見かけたり食べたりしたことがあるのではないでしょうか。

栗に切れ目を入れて焼くと爆発しません

私も幼い頃、ヨーロッパが舞台の絵本に出てくる焼き栗を目にして以来ずっと食べてみたかったもので、ミラノで初めて口にした時の感動を今でも忘れません。老舗バールやお菓子屋さんには手作りのつやつやしたマロングラッセも並び、日本同様に人気があります。

家庭で焼き栗をする場合は穴の開いたフライパンで

家庭で焼き栗を楽しむ場合は穴の開いたフライパンを使います。栗に切り目を入れ、穴の開いたフライパンに生のまま入れて暖炉の火やコンロの火にかざして焼くと栗が爆ぜずに香ばしく焼けます。または、同様に栗に切り目を入れ、オーブンで焼いても。
茹で栗の場合は、イタリアでは少量のオリーブオイルと塩、さらにローリエの葉を2~3枚入れた水から湯でます。

栗の素朴な甘さを生かした「CASTAGNACCIO(カスタニャッチョ)」と「NECCI(ネッチ)」

粉上にした栗にオリーブオイルと水を混ぜ、ローズマリーと松の実、レーズンを散らして焼き上げるCASTAGNACCIO(カスタニャッチョ)。砂糖を使わず、栗の素朴な甘みを生かしたシンプルなカスタニャッチョはイタリアの秋の定番お菓子です。どことなく和菓子っぽく、日本茶などにも合いそうな味わいです。大きく焼いて好きな大きさに切り分けられるので、ホームパーティーにも最適。

粉上にした栗にオリーブオイルと水を混ぜ、ローズマリーと松の実、レーズンを散らして焼き上げるCASTAGNACCIO(カスタニャッチョ)

フィレンツェ出身で料理好きの友人コジモ君は手作りカスタニャッチョをバーベキューのデザートに持ってきて、みんな大喜びしていました。秋にはお菓子屋やスーパーでも切り分けられたカスタニャッチョを買うことができるので、見かけたら是非お試しを。

NECCI(ネッチ)は、栗の粉と水に少量の塩を入れて混ぜた生地を薄く焼いた栗のクレープ

NECCI(ネッチ)は、栗の粉と水に少量の塩を入れて混ぜた生地を薄く焼いた栗のクレープ。栗のサグラ(収穫祭)などの屋台で見かけるネッチはそのまま食べても美味しいですが、砂糖を加えていないプレーンなリコッタチーズを中に巻くのが定番です。こちらもカスタニャッチョ同様、栗のほんのりした甘さだけのスイーツで、もっちもちの生地が癖になります。屋台ではイタリアのチョコレートとヘーゼルナッツのクリーム、ヌテッラを中に巻いたものも見かけました。他にもバターやはちみつをかけたり、地域によってはベーコンやソーセージを巻いた惣菜クレープバージョンもあるようです。

ポレンタづくしのサグラ、デザートにはしっとりもちもちの栗のポレンタ

冒頭に書いたように、この時期は各地でサグラが開催されます。サグラとは収穫祭といったような意味ですが、ポルチーノやトリュフなどの食材や魚介スープのカチュッコといったような郷土料理をテーマにしたお祭りのようなイベントで、それらを用意するのは町の住民たち。先日はトスカーナのMontemignaio(モンテミニャーイオ)で開催された「ポレンタのサグラ」に出かけてきました。

トスカーナのMontemignaio(モンテミニャーイオ)で開催された「ポレンタのサグラ」

ポレンタは日本ではあまり馴染みがありませんが、とうもろこしの粉をお粥状に煮た料理でイタリアではポピュラーな料理です。

とうもろこしの粉をお粥状に煮た料理でイタリアではポピュラーな料理がポレンタ

このサグラでは釜に入れて木の棒でかき混ぜる、昔ながらの作り方でポレンタを作っていました。ひたすらかき混ぜる必要があるのでなかなか手間がかかります。

その隣ではサルシッチャ(イタリアのソーセージ)を炭火でじっくり焼き上げていました。サルシッチャを焼いていたイタリア人にカメラを向けると「日本人かい? ここまで食べに来てくれるなんて嬉しいね」と笑顔でジューシーに焼き上げたサルシッチャを見せてくれました。

サルシッチャ(イタリアのソーセージ)を炭火でじっくり焼き上げていました

ポレンタづくしのサグラでは、デザートには栗のポレンタが用意されました。とうもろこしの代わりに栗の粉でつくるポレンタです。

デザートには栗のポレンタ

栗のポレンタは糸で切り分けます。

栗のポレンタは糸で切り分けます

この日のサグラのメニューは以下の通り。これに水、赤ワイン、パンがついて20ユーロ(約2,400円)でした。

前菜:ポレンタのフライ、生ハム添え、プリモ:キノコソースのポレンタ。

前菜:ポレンタのフライ、生ハム添え、プリモ:キノコソースのポレンタ

セコンド:サルシッチャと豆料理、デザート:焼き栗、栗のポレンタ、リコッタチーズ添えとヴィン・サント。

セコンド:サルシッチャと豆料理、デザート:焼き栗、栗のポレンタ、リコッタチーズ添えとヴィン・サント

ハンドメイドの栗のポレンタはしっとりもっちりの食感で、ほのかな栗の甘みがフレッシュなリコッタチーズとよく合いました。ヴィン・サントはトスカーナの甘いデザートワインでカントゥッチーを浸して食べるのが定番ですが、トスカーナでは栗のお菓子にもヴィン・サントをあわせます。

栗のラム酒漬け

お腹いっぱいになったところでサグラ内をぶらっと歩いて、地元の栗やりんごの販売所を覗くと面白いものを発見。それがこちら、栗のラム酒漬けです。

栗のラム酒漬け

小さいコップに栗4、5粒とともに注いでくれて一杯2ユーロ(約240円)で販売されていました。さて、気になる味はというと……栗の甘さが増してとっても美味しい! 作り方を教えてもらえばよかったと後悔するほどの美味しさで、これまた新たな栗の楽しみ方を発見できました。

日本ではなかなか食べることのない、イタリアの栗のお菓子の数々。秋にイタリアに来る機会があれば、甘さ控えめで日本人の味覚にもよく合う、どこか懐かしい味わいの栗スウィーツを是非味わってみてください。

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」「宅ふぁいる便」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/

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