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FOOD 05 Apr 2018

イタリア料理の概念をあざやかに刷新するハインツ・ベック【愛しの東京イタリアン】

平林 享子 Kyoko Hirabayashi
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アミューズのひとつ「黒キャベツのバリエーション」。黒キャベツはイタリアではおなじみの野菜。チョコレートのボンボンのように黒キャベツでつくったボンボンの上には黒キャベツのパウダー、そして黒キャベツのチップスも。手前は、プチヴェール(ケールと芽キャベツを交配した野菜)に香ばしいチキンソースを添えて。

ローマの名店「ラ・ペルゴラ」の味を東京でも

皇居のお濠に面し、落ち着いた眺望も楽しめるスタイリッシュなファインダイニング。ローマで1994年に開業したレストラン「ラ・ペルゴラ」は、2005年以来、ミシュランの三ツ星を13年連続で獲得。そのシェフが自らの名を冠したレストランが東京・丸の内の「ハインツ ベック」です。

イタリア料理の革命児にしてモダンガストロノミーを牽引するハインツ・ベックの真髄が東京で味わえるとあって、2014年のオープン以来、世界中からファンを集めています。ハインツ・ベックシェフがプロデュースするレストランは世界中に数店舗ありますが、アジアではここだけ。


「桜鱒 ホワイトアスパガラスと空豆」。北海道産の桜鱒を真空で低温調理して、柔らかく、うまみを凝縮。下のソースは、ホワイトアスパラガスのピューレと、香ばしく焼いたワイルドライス。添えられているのは、燻製煙のパウダー。

料理人にとって日本は夢の国

厳選された旬の素材、最先端の調理方法とともに、最新の科学的な知識にもとづき、美食と健康を同時に追求していることも大きな特徴。ハインツ・ベックシェフの哲学とクリエイティブを理解した上で、ローマの「ラ・ペルゴラ」と同じメニューだけでなく、東京店ならではのオリジナリティも追求しているエグゼクティブシェフのジュゼッペ・モラーロさんにインタビューしました。


エグゼクティブシェフのジュゼッペ・モラーロさん。1986年、イタリア・ナポリ生まれ。2010年より、ハインツ・ベックシェフのレストランで働き、2014年に来日、2016年より東京のエグゼクティブシェフをつとめる。

「世界中の料理人にとって、日本は夢の国だと思います。日本の食材はすばらしい。僕は築地市場が大好きです。魚介、野菜や果物…他の国では手に入らない豊富な食材が手に入るので、料理人は思う存分、創造性を発揮できます。僕にとって日本は、子どもにとってのディズニーランドのような場所なのです」

日本ならではのハインツ・ベックの料理を

イタリア・ナポリで両親がレストランをやっていたので、子どもの頃から料理をすることはとても自然なことだったというモラーロシェフ。お母さんやおばあさんと一緒に畑へ行ってトマトをとり、それで料理をつくることが大好きだったそう。

「旬の食材を使い、素材のよさを生かす。おいしく、美しく、健康的。ハインツ・ベックシェフとともに働いて8年がたちますので、彼の哲学と先見性、創造性は僕の中にもしっかり根づいています。さらに、ここ日本では、日本ならでのハインツ・ベックの料理を提供したいと思っています。視覚的な美しさの点では、日本の懐石料理にもヒントを得ています」


「フランス産仔鳩 りんごとレンズ豆 ラズベリーソース」。レンズ豆、りんご、ラズベリーが、それぞれ別々にピューレやジェルとしても使われ、目で見て楽しく、味わいも重層的。

期待をこえる驚きと感動

造り酒屋や海苔の生産者を訪ねるなど、日本の食材の研究にも熱心なモラーロシェフ。イタリア料理の伝統も大切にしながら、モダンガストロノミーならではの「サプライズ(驚き)」と「エビデンス(実証)」があります。真空低温調理でお肉もお魚もやわらかく、うまみをぎゅっと濃縮し、従来の「焼く」「煮る」といった調理方法からは想像できない料理が楽しめるのも魅力。フリーズドライの機械を使って野菜や果物をそのまま鮮やかな色彩のパウダーにしたり、五感を刺激する仕掛けが至るところにあり、味も香りも食感も、いい意味で予想を裏切られる快感に満ちています。

「お客様の期待をこえる感動を与えたいと思って、毎日、努力しています」

見た目は繊細で美しく、まるでイリュージョンのショーを見ているようなエンターテインメント性。なおかつ味、香り、食感それぞれにインパクトがあり、感動と満足感に包まれる。これを芸術と呼ばずして、何を芸術と呼べばいいのでしょう。


店舗デザインは、世界的建築家の植木莞爾氏によるもの。皇居のお濠が見える開放感のある空間。

SHOP DATA 
●ハインツ ベック HEINZ BECK
●東京都千代田区丸の内1-1-3 日本生命 丸の内ガーデンタワー M2F
*入口は1F「TRATTORIA CREATTA(トラットリア クレアッタ)」と同じです。
●TEL:03-3284-0030
●営業時間:ランチ11:30~15:00 ディナー17:30~23:00(L.O. 20:00)
●定休日:日曜日
●公式サイト www.heinzbeck.jp
WRITER PROFILE
平林 享子 Kyoko Hirabayashi
平林 享子 Kyoko Hirabayashi

エディター、ライター。早稲田大学教育学部卒業。美術・デザイン・映画を得意ジャンルとするフリーランスとしてさまざまな雑誌で活動した後、映画制作会社のスタジオジブリの出版部へ。インハウスエディターとして、宮崎駿著『折り返し点』(岩波書店)などの書籍、展覧会図録、広報誌「熱風」の編集を担当。ジブリ退職後は活動の場をWebメディアに移し、2018年よりWebマガジン「SHOP ITALIA」の創刊編集長。

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