FOOD 26 Jul 2018

仕事帰りの身体に染みわたる、阿佐ヶ谷・シンチェリータの本気ジェラート|東京ドルチェリレー【第1回】

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思わず誰かにおすすめしたくなるようなおいしいドルチェが食べられる東京都内のショップを、数珠つなぎのようにご紹介していく連載コラム「東京ドルチェリレー」。プロがハマったツウなドルチェをぞくぞくご案内します!

【「東京ドルチェリレー」シリーズ一覧はこちら】

今回ご紹介するのは、阿佐ヶ谷駅からゆっくり歩いて10分程度のところにある〈ジェラテリア シンチェリータ〉。あがるイタリア編集部が訪れた時間は午後6時過ぎ。辺りはすっかり暗くなった中で、フラッと立ち寄りたくなるようなやさしい光を放っています。

店内に入ってみると、色鮮やかなジェラートの数々がお出迎え。「定番フレーバーと期間限定フレーバーを合わせて今は16種類あります」と教えてくれたのは、オーナーを務めるジェラート職人、中井洋輔さんです。編集部は早速、中井さんおすすめのフレーバーを教えていただきつつ、このショップを開いた理由やジェラートに対する想いを聞いてみました。

まず食べて欲しいのは、ミルクとピスタチオ

——どのジェラートも美味しそうで何にしようかつい悩んでしまいますが、初めて来た方へのおすすめのフレーバーはありますか?

そうですね、やはり定番のミルクはおすすめです。このお店を開いた2010年からずっと置いているので、かれこれ7年以上作り続けているフレーバーなんですよ。

——なるほど、では数多くのフレーバーの中でも特にブラッシュアップされ続けてきたものなのですね。

フルーツを使ったジェラートだと、そのフルーツの良さを最大限に活かすことを考えればいいので、目指す味はある意味わかりやすいんです。ただ、ミルクに関しては、ミルク感といったものを表現するのがシンプルなようで実はなかなか難しい。むしろシンプル過ぎるからこそ逆に悩んでしまうんです。

——長らく作り続けてこられた今でもそうなのですか?

そうなんです。今は2種類の牛乳に生クリームなどを入れて、味を重くするか軽くするかといったバランスを決めているのですが、季節によって牛乳の味も変わるので、究極のベストと呼べる配合は、何ならこの先ずっと編み出せないと思っています。

——その時々のベストと呼べるもので作られているということなのですね。

配合の調整はとても細かく変えているので、まずお客さまにはわからないと思いますし、自分自身さえよくわからなくなってくる時もあるんですけどね(笑)。ただ、そういった微妙なさじ加減の良し悪しは、ずっと作り続けているからこそ把握できるのだと思っています。

——とても奥深いです…! 他にもおすすめのフレーバーはありますか?

そうですね、イタリアならではということでピスタチオはいかがでしょうか。こちらもオープン当初からの老舗フレーバーで、シチリア産のピスタチオを使っています。

——シチリア産のものを使っているのはどうしてですか?

ピスタチオと言えばイラン産やアメリカ産のものが有名で、リーズナブルでもあるのですが、シチリア産の方が単純においしいんですよ。さらに言うと、ジェラートにする際にピスタチオをペースト状にするのですが、ちまたにはすでにペースト化された商品も何種類かあるんです。

——そういったものがあるんですね。

ええ。ただ、それでジェラートを作ってしまうと味に個性が生まれないんですよ。他のジェラート屋さんでピスタチオのジェラートを食べると、「あ、あそこのペーストを使ってるな」というのがすぐわかるほどに。

——そうなんですか!

だから私は自分でペースト化しています、とても労力はかかるんですけどね。また、ペースト化する前に焼きを入れるのですが、浅焼きにしています。そうするととてもフレッシュな味に仕上がるんですよ。

——一つひとつの工程に中井さん流のこだわりを感じられます。

ということで、ミルクとピスタチオのジェラートをいただきます。ミルクは、口に入れた瞬間はとても濃厚なのに、後味はさっぱりという、メリハリの良さに感動。ピスタチオは、中井さんが言っていたフレッシュさを想像以上に感じられてびっくり。しっかりとした味わいなのに全くしつこくないので、特に男性がハマりそうだと思いました。

ジェラートを「ブーム」にはしたくない

——私も甘いものは好きなのですが、仕事が終わってから食べる夜のジェラートって最高だと思うんです。濃厚さや甘さが疲れた体に染み渡る感じがして。

確かにそうですね! うちはいつも午後9時まで営業していますが、平日は特に仕事帰りの方が多く来られます。

——シンチェリータの近くに住んでる人は毎日仕事終わりに食べられて幸せですね、羨ましい…。ところで、こちらをオープンされたきっかけは何だったのですか?

もともとはインテリアのデザインをしていたのですが、20代初めのころ、デザインの勉強でイタリアへ行った時に食べたジェラートがとても美味しかったんですよ。

——そうだったのですね。

それから数年後、仕事でとても悩んでいた時期があって。そんな時にジェラートのことを思い出したんです。それで、じゃあジェラートを作ってみようかと思い、都内のジェラート屋さんで経験を積んだりして、今に至ります。

——インテリアデザインから未経験のジェラートの世界に飛び込む勇気がすごいですね!

まだ若かったですから(笑)。あと、日本にはその当時、おいしいジェラート屋さんがあまりなかったんですよ。私は昔からほぼ毎日食べるくらいアイスが好きで、おいしいアイスを食べられるお店がもっと増えると良いなと思っていたこともあり、じゃあ、自分でやってみようかな、みたいな。

——やはりすごい(笑)。今後の展望などはありますか?

ジェラートをあまり「ブーム」、つまり一過性の人気にはしたくないと思っています。それよりもジェラートの魅力をゆっくり着実に伝え続け、普段の暮らしの中でより気軽に楽しんでいただけるようにできればと思います。

中井さんがハマったドルチェは?

——最後に、中井さんおすすめのドルチェが食べられる都内のショップを教えていただけますか?

西荻窪にある〈トラットリア29〉というところをぜひご紹介させてください! ここはドルチェ屋さんではなく、お肉料理を中心としたイタリアンのお店なのですが、メインはもちろん、ドルチェもとてもおいしいんですよ。オーナーの竹内さんの人柄も良く、お店に行くだけで楽しくなります。

いかがでしたか? ジェラートに魅せられた中井さんが追求し続ける、本気のジェラート。仕事を頑張った帰りに、ぜひお気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。次回は中井さんがハマった、〈トラットリア29〉のドルチェをご紹介したいと思います!

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SHOP DATA
Gelateria SINCERITA(ジェラテリア シンチェリータ)
東京都杉並区阿佐谷北1-43-7
TEL:03-5364-9430
営業時間 11:00〜21:00(年中無休)
http://www.sincerita.jp

初出:この記事は2017年12月6日に初公開されました@AGARU ITALIA

WRITER PROFILE
あがるイタリア AGARU ITALIA
あがるイタリア AGARU ITALIA

Webマガジン「AGARU ITALIA(あがるイタリア)」は、 気分があがる(ドキドキしちゃう!)イタリア情報を届けるメディアとして、2017年9月~2018年5月まで運営(主催:イタリア大使館、サイト運営:株式会社三越伊勢丹)。2018年7月、Webマガジン「SHOP ITALIA」と合併しました。

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