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FASHION 27 Aug 2018

ピッティ・ウオモ2019春夏レポート第1弾。クラシコイタリアを代表するラグジュアリー・ブランド 「ブルネロ クチネリ」が愛される理由。 | メンズファッション

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1920年代のアメリカにフォーカス

世界最大級のメンズファッションの祭典「ピッティ・イマージネ・ウオモ」が2018年6月12日から15日までフィレンツェで開催されました。毎年1月・6月の年2回開かれるこのイベント、94回目を迎えた今回は、トレンドを牽引するブランドの数々が、ひと足早く2019年春夏コレクションを発表しました。その中から、上質な着心地を追求するエグゼクティブに圧倒的な支持を得ている、ブルネロ クチネリをご紹介します。

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ブラウンカラーは雰囲気の違う色味を合わせてグラデーションを楽しんだり、挿し色にもなることを示してくれるコーディネイト。中央のダブルのスーツは、ブルネロ クチネリ特有の「ワン&ハーフ ブレスト」とよばれるデザインで、より近代的でシャープな印象を醸し出しています。

ブルネロ クチネリ2019年春夏コレクションのテーマは、ずばり『Roaring 20’s』。第一次世界大戦が終わり、世界恐慌発生までの“狂騒の20年代”とよばれた時代のアメリカにインスパイアされたものです。未曾有の好景気を享受したアメリカでは、芸術、文学、ファッションなど新しい文化が開花しました。20世紀文学を代表する作家のひとりF・スコット・フィッツジェラルドの小説を映画化した『華麗なるギャツビー』では、登場人物が当時の男の粋な着こなしを披露しています。同時にテニス、ゴルフといったスポーツがポピュラーになりつつある時代でした。そこにコンテンポラリーなエッセンスを加え、ブルネロ クチネリならでは遊び心あるテイストで展開したのが今回のコレクションです。

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落ち着いたカラーリングが特徴のブルネロ クチネリですが、組み合わせの妙により、無限に広がるスタイリングを提案しています。こちらは遊び心に溢れたブラウン×ネイビーの組み合わせ。ネクタイは太すぎず細すぎない7cm幅を採用。上品かつリラックス感のあるVゾーンが生まれます。

クラシカルとコンテンポラリーの融合

カラーリングは2018年の春夏トレンドでもあったコロニアル(植民地時代風)の色合いを引き続きつつも、新たな質感へのチャレンジがうかがえます。キャメルブラウンやサンドベージュなど温かみのあるトップスに、ホワイトのクラッシュデニムなどを合わせて夏らしいライトな演出を試みました。20年代の空気を意識しつつも、ボトムスはテーパードパンツ(裾にかけてシェイプされたシルエット)できめる。クラシカルとコンテンポラリーの組み合わせは、まさにブルネロ クチネリの真骨頂です。

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サルトリアならでは上質な仕立てを感じさせるジャケット×ダブルのジレ。クラシカルなチェックのトップには、プリーツを入れた柔らかな風合いのパンツを合わせて、コンテンポラリーな着こなしを演出します。

ブースを訪れていたひとりのイタリア人紳士に声をかけました。ひと目でおしゃれ上級者とお見受けしたからです。60代の会社経営者であるという彼は、「テーラードジャケットは15年程前、カーゴパンツは昨年、いずれもブルネロ クチネリで選んだものです」と教えてくれました。上質な素材と着心地の良さ、そしてタイムレスなデザインに惹かれ続けてきているのだとか。また、ブルネロ クチネリが一貫して掲げてきた「従業員をはじめ地域で働く人々の尊厳を守る」という理念に、畑は違えども同じ経営者として尊敬の念を抱いている、と付け加えました。

クラシコイタリアの世界では100年以上の歴史を誇る老舗が少なくありません。そうした中にあって、創業40年にしてラグジュアリーな紳士服マーケットを代表する存在となったブルネロ クチネリ。丁寧な仕事から生まれた製品であることはもちろん、ものづくりへの思いや姿勢といったブランドが纏う温かさもまた、多くの人々に愛される理由なのかもしれません。

(TOP写真)ブルネロ クチネリのブースにて。チャコールグレーのスーツの紳士は、ブルネロ クチネリ ジャパン社長の宮川ダビデ氏。

【この記事は、2018年6月15日に初公開しました】

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WRITER PROFILE
大矢 麻里 Mari Oya
大矢 麻里 Mari Oya

イタリアコラムニスト。東京生まれ。短大卒業後、幼稚園教諭、大手総合商社勤務を経て1996年からトスカーナ州シエナ在住。現地料理学校での通訳・アシスタント経験をもとに執筆活動を開始。NHKテキスト『まいにちイタリア語』『朝日新聞デジタル』などに連載多数。NHK『マイあさラジオ』をはじめラジオでも活躍中。著書に『イタリアの小さな工房めぐり』(新潮社)、『意大利工坊』(馬云雷訳 華中科技大学出版社)、『ガイドブックでは分からない 現地発!イタリア「街グルメ」美味しい話』(世界文化社)がある。

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