FEATURE
FOOD 28 Dec 2018

パルミジャーノ・レッジャーノの美味しさとイタリアの「人生を豊かにするもの」の関係とは 干場義雅インタビュー

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イタリアが生んだチーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」

天高く馬肥ゆる秋はもう過ぎましたが、冬も美味しいものをたくさん食べたくなる季節です。
冬は友人や家族などみんなで集まって食事を楽しむことも多くなります。
今日はみんなで何を食べますか? 冬はやっぱり暖かいお料理でしょうか。
では、チーズフォンデュなんていかがでしょうか? 最近はチーズ鍋も流行ってますね。
熱々のチーズがとろけるピザ、オーブンから取り出してふつふつとしたチーズのお焦げ、ハイジのチーズ・・・。こうして目にするだけでも食欲がそそられます。
チーズはその美味しさもさながら、芳醇な香り、熱々トロトロのチーズをいただくその瞬間は幸せに包まれる素敵な食べ物です。

今回ご紹介するのは、チーズの中でも特に世界中でよく知られている「パルミジャーノ・レッジャーノ」。美食大国イタリアの一部の地方で数百年の古くから生産され、日本でもその名を広く知られています。

とはいえ、パルミジャーノ・レッジャーノの美味しい食べ方が日本に浸透しているかといえばそうではなさそうです。
パルミジャーノ・レッジャーノの美味しい食べ方、魅力をお伝えすべく、今回、イタリア通として知られる干場義雅氏にお越しいただき、絶品パルミジャーノ・レッジャーノのお料理をいただきながらお話しを伺いました。

パルミジャーノ・レッジャーノが、なぜこんなにも日本人に愛されるのか。また、パルミジャーノ・レッジャーノを生み出すイタリアについて、パルミジャーノ・レッジャーノを最高に楽しむ方法を干場氏にじっくり語っていただきます。

さっくりとした食感に絶妙な塩味、鼻腔をくすぐる濃厚なのに爽やかなチーズの香り。一口食べたらまた一口ほしくなる。それが、パルミジャーノ・レッジャーノ。

部屋いっぱいに広がるチーズの美味しい香りを想像しながらお読みください。

hoshibayoshimasa

干場 義雅/YOSHIMASA HOSHIBA

FORZA STYLE 編集長
日本を代表するファッションディレクター。『LEON』や『OCEANS』などで”ちょい悪オヤジ”ブームを作り、『にじいろジーン』(CX系)や『World Cruise』(TOKYO FM)、イベント、ブランドプロデュースなど、メディアの枠を超えて活躍中。スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量になって男泣きする1973年生まれ。

目次
チーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」とは
パルミジャーノ・レッジャーノのお料理とイタリアの魅力
パルミジャーノ・レッジャーノの楽しみ方
パルミジャーノ・レッジャーノと新鮮野菜の美味しさ
パルミジャーノ・レッジャーノを焼いたスペシャルサラダ
パルミジャーノ・レッジャーノの絶品リゾットで干場気絶?
干場が伝えたいイタリアの「本当に素晴らしいもの」
最後に・編集後記

チーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」とは

1200年代から何世紀にも渡って受け継がれてきた知識と長い経験による技術の賜物であり、発祥地だけに伝えられてきた生産文化を表現したチーズです。限定された産地であること、乳牛の飼料の管理や厳格な生産基準があり、一切添加物を加えず昔ながらの美味しさを保っています。パルミジャーノ・レッジャーノの種類によって熟成期間が異なり、18ヶ月、2年など長い間熟成してようやくできあがります。
チーズの中で最もコレステロール値が低く、高い栄養価があるため、子供やアスリート、高齢者にも効果的です。

パルミジャーノ・レッジャーノのお料理とイタリアの魅力

本日干場氏にご堪能いただくパルミジャーノ・レッジャーノを使ったメニューはこちら。

Scaglie di Parmigiano Reggiano
パルミジャーノ・レッジャーノのスカーリエ
Insalata di rucola con pomodori e Parmigiano Reggiano
新鮮なルッコラとフルーツトマトのサラダ パルミジャーノ・レッジャーノを乗せて
Cestino di Parmigiano Reggiano con insalata mista
焼いたパルミジャーノ・レッジャーノにミックスサラダをアンチョビドレッシングで
Risotto al Parmigiano Reggiano
パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット

Vino: Altare Trebbiano d’Abruzzo 2015

お伺いしたレストランは、東京は広尾で本格イタリアンを楽しめるラ・ビスボッチャ。イタリア政府公認のレストランとして、もちろん通常メニューでもパルミジャーノ・レッジャーノを使ったお料理をお楽しみいただけます。
今回は、副料理長の露詰さんにお料理を紹介していただきます。

ー干場さん、今日はよろしくお願いします。お腹は空かせていらっしゃいますか?
よろしくお願いします。
ええ、もちろんです。イタリア料理は大好きですから。

ー干場さんは通算120回以上イタリアへ行かれているそうですね。イタリアのどんなところに魅力を感じますか。

イタリアは料理はもちろん、車やファッションなど人生を豊かにするものを徹底的に楽しみ、大切にする気持ちが本当に素晴らしいと感じています。
もともと、イタリアに行くようになる以前からイタリアに憧れがありました。家がテーラーだったのでイタリアのファッションにはもちろん興味を惹かれていましたし、映画などでも美しいイタリアの風景を目にしていましたから。そして、イタリアという国の文化に頻繁に触れるようになってからは、美しいもの、かっこいいもの、美味しいものといった、人生を豊かにする良いものを日常の中で最高に楽しみ、徹底的に追求するところにさらに惹かれていきました。
できることならイタリア人になりたいと思ったこともあるくらいですよ。

パルミジャーノ・レッジャーノの楽しみ方


ラ・ビスボッチャ副料理長 露詰さん)
お待たせしました、Scaglie di parmigiano(パルミジャーノ・レッジャーノチーズのスカーリエ)です

ーパルミジャーノレッジャーノのお気に入りの食べ方を教えてください。

まさにこれですよ。パルミジャーノ・レッジャーノはそのまま食べるのが本当に美味しいですよね。一番お気に入りの食べ方です。
バルサミコ酢を少しつけて食べるのが美味しいとイタリアで教わりました。

イタリアでは5時くらいにアペリティーボでパルミジャーノ・レッジャーノをオリーブやポテトなどと一緒にいただくんですが、美味しいのでたくさん食べてしまって、食事に行く時はもうお腹いっぱいになっていることもあります。
イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノやオリーブなどの体にいいものを自然と食べています。

ーパルミジャーノ・レッジャーノに合うワインは何ですか?

プロセッコも合いますが、僕はランブルスコという赤ワインと一緒にパルミジャーノ・レッジャーノをいただくのが好きです。産地が同じ(※)というのは先ほど知りました。

そういえば、僕がファッション誌での仕事を初めて間もない頃、イタリアミラノで行われたファッションショーに行った時なんですが、会場にチーズの塊が置いてあり、自分でチーズを切り出して食べるスタイルでした。
自分でチーズの塊から一口ずつ掘るように取り出して、それをシャンパンやプロセッコ、ランブルスコなどのワインと一緒にいただきました。
そこで初めて、イタリアではチーズを塊から食べるということを知って、驚きつつも本当に美味しいと感じたことをよく覚えています。
イタリアでは美味しいものを学ぶ機会に恵まれるんですよ。


※パルミジャーノ・レッジャーノとランブルスコはイタリア エミリア・ロマーニャ州で作られています

ーイタリア料理の美味しさとの出会いを教えてください

ファッション誌の仕事を始めたばかりの頃、ミラノのレストランに行きました。その当時僕はイタリア語は全く分かりませんでした。それでも次第にお店の人と仲良くなって「日本からはるばるきたんだからこれを食べな、さあこれ飲みな。」と美味しいものをたくさん出してくれました。
僕が日本に帰る頃には、お店の人が僕との別れに涙してくれる程でした。
それからもう20年そのレストランに通っています。

ーイタリアで一番お気に入りのお店はどこですか?

そのミラノのレストランが僕の一番お気に入りのお店です。
今でも行くたびに店の人が「よく来たな!」と、カルパッチョから始まって、パスタ、肉料理などシェフおまかせのスペシャルなメニューを出してくれます。
イタリアでは魚も本当に美味しいですよ。

パルミジャーノ・レッジャーノと新鮮野菜の美味しさ

お待たせしました、Insalata rucola con pomodoro e parmigiano(新鮮なルッコラとフルーツトマトのサラダパルミジャーノ・レッジャーノを乗せて)です。パルミジャーノ・レッジャーノと合うようにあっさりめに仕上げています。


このサラダ、最高ですね。僕はこの組み合わせが本当に好きです。
ルッコラの苦みと新鮮さにトマトの酸味、バルサミコの深い味わいの上にパルミジャーノ・レッジャーノチーズの風味が組み合わさって、シンプルで美味しいです。

この、「シンプルで美味しい」という感覚は日本食とイタリア料理の似ている部分だと思います。例えば新鮮な美味しいお魚をそのまま味わうこと。日本だと刺身ですし、イタリアだと新鮮なままオリーブオイルと塩で食べます。そう、カルパッチョです。
これらは素材の旨味をそのまま感じられる食事ですよね。
パルミジャーノ・レッジャーノもそのまま食べるのが美味しいとお伝えしましが、こういった、素材を生かしたシンプルで美味しい料理というのが、日本とイタリアの通じる部分だと思います。
だからイタリア料理というのは日本人にも愛されるんですよね。

パルミジャーノ・レッジャーノを焼いたスペシャルサラダ

お待たせしました、Cestini di parmigiano con insalata mista(焼いたパルミジャーノ・レッジャーノにミックスサラダをアンチョビドレッシングで)です。焼いたチーズの芳ばしさ、サクサクとした食感が楽しめる一皿です。是非、チーズを砕いてサラダと一緒にお召し上がりください。


これは本当に美味しいですね。焦げたパリパリのチーズを楽しめる料理は初めてです。もうこれだけで食べたいですね。
このチーズのカゴの部分は何という名前ですか?

Cestino di Parmigiano Reggianoです。パルミジャーノ・レッジャーノを粉にして、オリーブオイルで焼き、カゴの形にします。


そうですか。スナック菓子のような軽い食感と、このチーズの濃厚な香りがたまりません。

パルミジャーノ・レッジャーノの絶品リゾットで干場さん気絶?

お待たせしました、Risotto al parmigiano(パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット)です。当店の人気メニューです。このようにお客様の前でチーズに絡めてお出ししています。

これはまた家庭料理という優しい味にパルミジャーノ・レッジャーノの香りが素晴らしいです。本当に美味しいですね。
このリゾットは美味しすぎて食べたら気絶しますよ。


ラ・ビスボッチャではテーブルの横で大きなパルミジャーノ・レッジャーノにリゾットを流し込みチーズを絡める様子を楽しめる

ー今回熟成期間の違う二種類のパルミジャーノ・レッジャーノのリゾットをご用意しました。どちらがお好みでしょうか?

これはそれぞれ別の美味しさですね。どちらもとても美味しいです。

今回、熟成期間22ヶ月、29ヶ月のパルミジャーノ・レッジャーノそれぞれのリゾットをいただきました。詳しくはラ・ビスボッチャのHPでお読みいただけます。
パルメザンチーズのリゾット
赤牛パルメザンチーズのリゾット

干場さんが伝えたいイタリアの「本当に素晴らしいもの」

イタリアの人たちは、朝ごはんを食べているのに、お昼ご飯や夕食のことを話しているんです。食べること、食べる楽しみを大切にしているからなんです。
食に対してもファッションに対しても車に対しても、綺麗とか美味しいとか人生を豊かにするものにイタリア人はコンシャスなんですよね。
だからフェラーリやジョルジュアルマーニなどの素晴らしいものが生まれた。これは世界的に見ても圧倒的だと感じています。
そして、古い建物など、何百年も前のものを大事にしながら、新しいものを生み出すところもまたイタリアの魅力と言えると思います。

イタリアでは美味しいものを知る機会がとても多いです。そして、本当に美味しいので、他の人に伝えたくなります。
僕が編集の仕事をしているのは、イタリアのファッションはもちろん料理など素晴らしいと思うものを人に伝えていきたいからです。

ー今回、パルミジャーノ・レッジャーノを使ったお料理をいただきながらイタリアについて語っていただきました。最後に読者に伝えたいことはありますか?

食べることは、他の人と分かち合えるのがいいですね。服だとなかなか他の人と感動を共有するのは難しいですが、食べ物や音楽は同じ一つのものを共有し、同じように感動し、人と人とを繋げるものだと思っています。
パルミジャーノ・レッジャーノは大きな塊から使う分だけ切り出していき、その美味しさをたくさんの人と共有することができる、素晴らしい食べ物だと思います。

チーズとワインというと、カマンベールやブルーチーズなどが日本では一般的に知られていますが、
この、イタリア産のパルミジャーノ・レッジャーノとワインという本当に美味しい組み合わせがあることは日本ではそこまで知られていないですよね。
ぜひ早く皆さんに味わってもらいたいです。
それは、イタリアから学ぶことのできる「人生を豊かにするもの」の一つだと思いますから。

ーありがとうございました。

最後に・編集後記

パルミジャーノ・レッジャーノの取材を終えて、美味しいお料理を味わいつつ、ふと気付いたことがあります。
パルミジャーノ・レッジャーノは、それは数百年も昔から変わらぬ美味しさを保っています。そして、一つの大きな塊は小分けにされ、世界中に広がって行きます。
もしかしたら、海を超えた全く別の場所にいる人が、同じ塊から切り出されたチーズを味わっているのかもしれません。
そして、このチーズの味は、数百年も昔からたくさんの人が味わってきたものです。
同じ美味しさを、感動を場所も時も超えて、多くの人と共有していることを思うと、なんともロマン溢れる話ではありませんか。

パルミジャーノ・レッジャーノはいろいろなお料理で楽しめる食材です。
サラダ、パスタ、そのままワインのお供に・・・。どんな人でもパルミジャーノ・レッジャーノの美味しさを堪能していただけます。
イタリアは、秋から冬にかけてがパルミジャーノ・レッジャーノを美味しくいただく時期だと聞きます。
年末年始は日頃お世話になった人や大切な人と会える時期でもありますね。
家族が集まった席で、友達と、恋人と、一緒にパルミジャーノ・レッジャーノを使ったお料理をいただきながら、美味しさと感動を分かち合う素敵なひと時を過ごすのはいかがでしょうか。

WRITER PROFILE
「SHOP ITALIA」編集部
「SHOP ITALIA」編集部

「SHOP ITALIA」編集部です。オフィスは港区北青山です。イタリアに関するさまざまなイベント、新製品などのニュースを募集中です。どうぞお気軽にご連絡ください。☛https://shop-italia.jp/contact/

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