COLUMN
CULTURE 10 May 2019

ティラミス発祥の地といわれる北イタリア・トレヴィーゾ、かわいらしい運河の街めぐり

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イタリアで食べたいものを尋ねたところ、まさかの回答

今年のゴールデンウィークは10連休ということもあって、イタリア旅行を楽しんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。私の友人も日本からイタリアへ遊びに来ました。SHOP ITALIAの読者の皆様にはイタリアは美食の国ということはあえて説明する必要はないと思いますが、私が住むフィレンツェひとつの街をとっても名物料理がいくつもあります。ですから友人にも「イタリアでは何が食べたい?」と尋ねたところ、なんとまさかの回答が……。

「クレームブリュレ」

思わず「それならどうぞイタリアではなくフランスへお越しになって〜(涙)」と心の中で叫んでしまいました。イタリアにも「Crema Catalanaクレーマ・カタラーナ」と呼ばれる似たようなデザートがあり(クレームブリュレに似たスペイン・カタルーニャ地方の洋菓子)、わりとどこのレストランでも食べられるほどポピュラーではありますが、イタリアのスウィーツではありません。

そんなこともありましたので、今回はイタリアのスウィーツを巡る旅についてご紹介したいと思います。もはや日本中でも(そしておそらくクレームブリュレと答えた彼女も)知らない人はいない「 Tiramisùティラミス」。 名前の由来が”Tirami su!”(私をアゲて!元気づけて!)ということも、SHOP ITALIAの読者の皆様ならもうご存知だと思いますが、それではこのティラミス発祥の地がどこなのか、ご存知でしょうか。

ティラミス発祥の地と言われる、北イタリアのTreviso(トレヴィーゾ)

日本とイタリアの共通点はご当地グルメが豊富で美味しいことです。どこにいっても地域ごとに美味しいものが沢山あり、その地でしか飲めない地酒や地元ワインがあることは旅においてこの上ない楽しみになります。

ティラミスにいたっては、もはや北から南までどこへ行っても存在するイタリア代表のようなデザートのためご当地グルメという感覚が無くなっていましたが、ある日ふと「そういえばティラミスの発祥の地というのはどこなのだろう」と疑問に思いました。調べてみると、1960年代に北イタリアのTreviso(トレヴィーゾ)のレストランで生まれたのではないかとされているとのこと。残念ながらそのレストラン自体はもう無くなっていましたが、思い立ったが吉日、トレヴィーゾの街を訪れてみることにしました。

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トレヴィーゾの名産ラディッキオ・ロッソをランチで

トレヴィーゾは水の都ベネチアから北へ30キロほどに位置するヴェネト州の街。日本でも有名な電気メーカーのデロンギの本社がある街でもあります。訪れたのは年始のため、まだ各地にクリスマスのデコレーションが残っておりバカンスの余韻が漂っていました。

到着したのがちょうど昼食時だったのでまずは地元料理が楽しめそうなトラットリアに入ることに。トレヴィーゾの名物はティラミスはもちろんですが、それよりも有名な名産物はラディッキオ・ロッソという高級食材です。日本ではフランス語のトレビスと呼ばれていますが、その語源こそ産地であるこのトレヴィーゾなんですよ。生で食べると甘みが強く、リゾットなどに入れるとほのかな苦味が感じられます。

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トレヴィーゾ名産ラディッキオ・ロッソのビゴリ

トラットリアではプリモにラディッキオロッソのソースのBigoli(ビゴリ)を頂きました。ビゴリも北イタリア名物で太めのもちもちっとしたパスタです。セコンドもトレヴィーゾ名物、ホロホロ鳥の料理。ご当地グルメづくしのランチとなりました。

まるでこじんまりしたベネチア! 街中を運河が流れる可愛らしい街

ティラミスはトレヴィーゾで人気のあるパスティッチェリアで食べたかったので、トラットリアではデザートはパス。トラットリアからパスティッチェリアまで散策することにしました。トレヴィーゾは街中に運河が流れており、こじんまりしたベネチアといった印象。増えすぎる観光客で年々街歩きが大変になってきているベネチアと異なり、外国人観光客も少なく落ち着いた雰囲気の中でゆったりと散策を楽しめます。海水のベネチアに対し、トレヴィーゾは淡水のため水鳥も多く見られました。

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街のあちこちにアートが見られるもの魅力的

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トレヴィーゾの見どころは見た目のインパクトが強い「Fontana delle Tette(おっぱいの噴水)」。ベネチア共和国が支配していた1559年に建てられた古代彫刻で、現在ジニョーリ宮殿の中庭にあるのはレプリカです。1797年までの間、新しい市政長に変わる度に片方のおっぱいから赤ワイン、もう一方から白ワインを出してなんと3日間市民たちに無料で振る舞っていたそうです! 今出ている水も飲めるそうですが、おっぱいから水を飲むのはなんだかちょっと尻込みしてしまうような。

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おっぱいからの飲料水、飲む勇気ある!?

ところでおっぱいの像と言って思い浮かぶのが、ロミオとジュリエットの街ヴェローナのジュリエット像。右胸を触ると幸運がもたらされるという言い伝えがある像ですが、そういえばヴェローナも同じヴェネト州です。どうもヴェネト州はおっぱいがお好きなようで!?

さて、気になるティラミスのお味は?

トレヴィーゾのドゥオモにあるティッツィアーノの「受胎告知」を見たり、現在は古書市やアートイベントやコンサート会場として利用されている旧・騎士のロッジに寄りつつ、いよいよ気になるティラミスを頂くことに。トリップアドヴァイザーでイタリア人からの評価の高い「Trevissù Nascimben トレヴィッス・ナシンベン」を選んでみました。

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トレヴィーゾの老舗パスティッチェリア「Trevissù Nascimben」

1865年創業のこのお店では、伝統的な昔からのレシピと同じ材料を使いつつ、より美味しくするためのカスタマイズが加えられているとのこと。3タイプあるティラミスから、オリジナルに近いクラシックタイプを選びました。コクのあるマスカルポーネクリームとほろ苦いコーヒーを浸したしっとりしたサボイアルディが奏でる絶妙なハーモニーを楽しめるティラミスは、甘さ控えめで日本人の口にあう味わいでした。美味しいティラミスは日本でも食べられますが、やっぱりイタリアに来たら一度はイタリアのティラミスも味わってみてはいかがでしょうか。

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見た目もかわいいティラミスは甘さ控えめで日本人好み。

目的のティラミスも堪能し、大満足でお店の外に出るともう日が暮れ始めていました。イタリアの有名観光地では味わえない静かで穏やかな時間が流れるトレヴィーゾ。ベネチアから電車で30分ほどの街なので、ベネチアの喧騒から離れてゆっくりしたい方にお勧めの街です。

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」「宅ふぁいる便」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/

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