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CULTURE 28 Jun 2019

フィレンツェで生まれたシガー「トスカーノ」物語~災害から生まれた新たな味とスタイル~

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豪雨がもたらした奇跡のシガー

1815年8月、フィレンツェのタバコ工場では、夏の日差しによってタバコ葉を乾燥させていました。ところが急かつ激しい豪雨に見舞われ、そのタバコ葉は商品価値を失ってしまいました。
その被害にあったタバコ葉を何とか乾燥させてシガーにし、低価格で販売するしかなかったのですが、これが「新しい味とスタイルだ」とヒットすることになったのです。

その奇跡のシガーこそ「トスカーノ」。

その後、1818年に工場を設立することによって安定した生産ラインが確立され、ほぼ130年間、フィレンツェで製造されていました。戦後はルッカにある本社工場(旧ドミニカ修道院)で生産されるようになり、その後、2004年以降は現代的なルッカの工場地域にて生産されています。

イタリア王国成立に貢献した軍事家ジュゼッペ・ガリバルディ(Giuseppe Garibaldi 1882年没)やイタリアの喜劇俳優で「爆笑の王子」と呼ばれたトト(Totò 1967年没)から市井の人々まで、イタリア人にとってシガーとは「トスカーノ」を指すといっても過言ではないでしょう。

2つに切るのがイタリアンスタイル

手作りの「トスカーノ」は力強さの中に穏やかで優しさを感じる個性的な味。
両端が細くなっているユニークなトルベード(魚雷)シェイプが特徴で、一本を2つに切って分け合うのがイタリアンスタイル。

200年以上変わらない伝統的製法

「トスカーノ」の製法は200年以上にわたって変わっておらず、多くの場合は母から娘へ受け継がれる伝統的手法を守っています。製法を説明する上で、最も大切なのはシガライエ(Sigaraie)と呼ばれる女性職人の存在です。シガライエと呼ばれる職人になるためには18ヶ月の訓練後、資格を得て、ようやく自分の手でシガーを巻くことができます。シガライエ達の迅速な作業と正確な技術で作られるシガー。
ご紹介する動画は見事な手さばきで下記の作業をこなすシガライエの様子です。

動画内では「トスカーノ」が出来上がるまでを紹介。その流れは、①セルロース接着剤を指で木の上にひろげ、その上にケンタッキー葉の半分を置く。②ナイフの先で、葉巻の外側部分をカットします。正確に平行にカットすることが重要です。③経験から得た正確な量のタバコの葉をカットしたシガーバンドの上に配置します。④先端からシガーを巻き始めます。絶妙な力加減で巻き終えた後、切断用カッターで両端を切り落とします。

「トスカーノ」の社会貢献

シガロトスカーノ工場は、世界の中でいち早く、働く女性達の劣悪な環境を改善し、女性の労働力に対して男性と同等の権利を与えた工場のであり、1800年代半ばには工場に20人しかいなかった女性労働者が、イタリア王国設立時には1万2000人、そして、第一次世界大戦後には1万6000人に増えるほど、世界中の工場の中でも女性が活躍する場となっています。
シガライエの活躍を支えるために、彼女達が働いている間、子供達を預かる保育園を保育園を最初に設けたのも「トスカーノ」工場でした。その後もシガライエ達の技術と活躍はは何代にもわたって受け継がれ、「トスカーノ」グループの大切な力となっています。

豪雨被害から見事な発展を遂げた「トスカーノ」。

個性的な味わいと伝統ある手法で作られる葉巻の魅力は女性達の手によって支えられ、女性の手で転がされながら作られるシガーは、何ともイタリアらしい! 美しいヒュミドールに入れ、フィレンツェ、トスカーナ地方へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
 

WRITER PROFILE
奥田マリア
奥田マリア

イタリア在住。カンパーニャ州出身の夫・義両親と共に暮らし、イタリア人家族の日常生活やイタリア文化に関する記事を執筆する他、日本文化についてイタリア人に情報発信している。

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