COLUMN
CULTURE 12 May 2020

【連載】大塚ヒロタとイタリアと、コメディア・デラルテ番外編

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この時間をどう過ごすか?

いつもなら日常に追われてしまいがちの私達の多くが今この問題を抱えているのではないだろうか。
ご多分に漏れず、私も3月後半から4月以降の仕事がほとんどキャンセルか延期になり、緊急事態宣言が出てからは極力自宅待機と、人との接触を減らす努力をしてきた。

今まで後回しにしていたクローゼットや本棚などの整理を進めたりしたが、しかし「何もしない」。その事の難しさを痛切に感じてしまう。楽しみにしていた仕事や予定の事をどうしても考えてしまったり、この状況や見えない相手に対する無力感や苛立ちを覚えてしまう。こんな時こそ、人々を楽しませる事を生業にしている我々の出番なのではという思いがあった。

そんな中、パソコンやスマホのカメラを使ったZOOMでの打ち合わせや会合、飲み会が増え、遂には演劇の公演を見る機会もあった。私もここに何か可能性があるのではないかと感じ動き始めた。
私が雇われる側の仕事はいつ再開されるかわからないが、自分が作り出せる事を見つけたような気がした。
一人芝居を演じ、YouTubeに流す事も考えたが、観客や演者同士の生のやり取りが命のコメディア・デラルテを一方的に流す事にどうしても抵抗があった。しかし「Zoomであれば相互コミュニケーションが可能だ!」と。

Zoomワークショップ ステップを使った筋トレ

Zoomワークショップ ステップを使った筋トレZoomワークショップ ステップを使った筋トレ

ただ、直ぐに公演を行うには整えるべき事が多すぎたので、まずはzoomワークショップを開催することにした。まだ数回開催しただけなのだが、これは非常に有意義であり、楽しかった。
意識したのは、普段のワークショップをzoomで行なうのでは、いつものそれの劣化版になってしまうので、zoomでしかできない事、その不自由をあえて魅力に変えられるやり方を考えて実践することだった。例えば、カメラのフレームを使って紙芝居の様にパフォーマンスをしてみたり、普段は見られない自分の姿をカメラで見て、いかに自分のイメージと見た人のイメージに差があるかを体感したりする様な具合だ。
そして、何よりも意義があると思った点は、相互のコミュニケーションがあるから、皆が本当に良く笑う。そしてその笑顔を画面を通じて見ることができる、と言う事だ。

自宅待機、テレワーク、リモートワーク、自粛。そんな中、レンズ越しではあっても人と喋り、体を動かし、そして笑い、笑わせる。これこそ私の日常にハリを与えてくれるものだと思った。

その術を私に教えてくれたコメディア・デラルテの祖国イタリアは、私達以上に大変な状況だ。今でもつながっている友人たちはその状況下で本当に頑張っている。

沢山笑うってなによりも大切沢山笑うってなによりも大切

今、自分のやれる事をやる。
今、自分のやるべき事をやる。

そして、このウイルスに決して屈せずに、私は人間を信じたい。

大塚ヒロタとイタリアと、コメディア・デラルテ連載記事はこちら

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WRITER PROFILE
大塚ヒロタ
大塚ヒロタ

俳優、テアトロ コメディア・デラルテ主宰。NY で演劇を学びコメディア・デラルテと出会いイタリアに渡る。帰国後、映画「64 -ロクヨン-」の宇津木役、「図書館戦争」シリーズの野村役で注目を集める。 映画「キングダム」「唐人街探索」「楽園」、ドラマ「フルーツ宅配便」「ボイス110緊急指令室」、CM「ほっともっと」「中部電力」「よなよなエール」 ■最新の出演作は Twitter@hirotaotsukaでも随時更新中

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