INTERVIEW
AUTOMOTIVE 09 Apr 2019

イタリアの高級車ブランド マセラティの日本法人社長グイド・ジョバネッリ氏が語る、日本におけるストラテジーとプライベートライフ

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優雅なデザインと卓越したダイナミズムを併せ持ち、イタリアの自動車ブランドの中でも常に憧れの存在として君臨するマセラティ。
その日本法人の代表を務めるグイド・ジョバネッリさんに、マセラティについて、そして彼のプライベートライフについて伺いました。

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マセラティ ジャパン代表取締役社長グイド・ジョバネッリ氏。イタリア ピサ大学航空工学修士課程修了。1999年にFCAグループに入社し、プロダクトスペシャリスト、ゼネラルマネージャーなどを経て、2016年にマセラティ ジャパン代表取締役に就任。クルマ以外では、自転車やワインを嗜む。

―長い歴史を持つマセラティですが、近年は「ギブリ」の復活や、SUV「レヴァンテ」の投入など、積極的なモデル攻勢が目立ちます。現在では5モデルをラインナップしていますが、これでポートフォリオは完成したのでしょうか?

そうですね。1914年に創業したマセラティは、105年の長い歴史のなかで変革を遂げながら独自の価値を育んできました。
数々のレースに挑戦する一方、60年代に登場した「クアトロポルテ」に代表されるように、ラグジュアリーセダンの分野でも確固たる地位を築いています。
現在はフラッグシップのクアトロポルテに加え、よりスポーティなドライビングを愉しめる「ギブリ」をラインアップし、2017年はSUVの「レヴァンテ」を投入したことで、さらに選択肢が広がりました。
2ドアクーペの「グラントゥーリズモ」、2ドアオープンの「グランカブリオ」を合わせ、全5モデルを取り揃えたことにより、計画されていたポートフォリオは完成しました。
将来的にはさらにモデルが増える可能性はあるかもしれませんが、現時点ではお客さまのニーズに応えられる十分なラインアップを有していると考えています。

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マセラティは現在、2ドアクーペ「グラントゥーリズモ」、2ドアオープン「グランカブリオ」、4ドアセダンの「クアトロポルテ」および「ギブリ」、SUVの「レヴァンテ」の5モデルをラインアップする。

―いま日本でもっとも人気のあるモデルはどれですか?

いま一番の人気モデルは、レヴァンテです。
最新モデルであることもあり、日本における販売の約50%を占めています。
そして最近の傾向としては、女性ユーザーや家族で乗るクルマとしてマセラティを選ばれる方が増えていることです。
2013年にギブリが登場し、週末だけでなく、平日の日常ユースでマセラティの楽しまれる方が増えましたが、レヴァンテの登場でさらにその傾向が強まりました。
レヴァンテの女性比率は中国では42%、日本では12-13%を占めています。
また所有者はご主人でも、平日に奥さまが乗られるケースもありますので、実際にはより多くの女性がマセラティと親しまれていると考えられます。

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2016年にマセラティ初のSUVとして登場した「レヴァンテ」。現在日本における一番の人気モデルとなっている。

―ギブリ、レヴァンテにはディーゼルモデルの設定がありますが、お客さまの反応はいかがでしょうか?

ディーゼルモデルの投入により、これでまでカバーしてこなかったマーケットに参入することができました。
しかしながら、我々の販売の主力がガソリンエンジンであることに変わりはありません。
それは長い歴史において構築されたものであり、フェラーリ製エンジンを搭載するという特異性も関係しています。
日本市場ではディーゼルの比率はセダンでは少なく、ギブリの場合で5%程度。
レヴァンテでは2017年は25-30%ほどを占めていまししたが、ガソリンの右ハンドル仕様車が登場してから比率は15%-20%ほどまで下がってきています。

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マセラティのガソリンエンジンはフェラーリ製。官能的なエンジンフィールやサウンドに定評がある。写真はレヴァンテの新しいV8モデル「トロフェオ」のV8ユニット。

―グイド社長は、日本市場でマセラティブランドをどのようなブランドに育てていきたいとお考えですか?

それは難しい質問ですね。というのは、マセラティはブランド価値を保つことを大切にしており、私もその方針を尊重しています。そのブランド価値とは、数を多く売ることを第一に見据えたものではありません。結果的には、お客さまの数は増えていて、ブランドは成長しています。そしてお客様を大切にするという考えをもちろん持っています。製品面およびディーラーシップの観点からは、パーソナリゼーションプログラムを充実させ、お客さまが真に求められるマセラティを作り上げられる環境を整えることに注力しています。そしてより良いサービスやディーラーの構築に向け、セールスとサービストレーニングも行なっています。こうした活動を通じて、お客さまの求められる声にできる限り近づきたいと考えています。

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グイド社長は、ご自身のライフスタイルにおいてもイタリアの食やファッションを取り入れているという。

―次にグイド社長のパーソナルな一面についてお聞きしたいと思います。愛用されているイタリアのファッションブランドがあれば教えてください。

ファッションブランドについては、イタリアのエルメネジルド・ゼニアがお気に入りです。
エルメネジルド・ゼニアは品質がとても高いうえに、マセラティブランドとも深い関わりがあります。
マセラティはゼニア製のシルク素材を用いたシートを採用していますし、今後同ブランドの高級レザー素材の充実も予定しています。
また、個人的にもゼニアのスーツを気に入っています。
そのほかでは、イタリア製のオーダーメイドのシャツを愛用しています。
フィレンツェとルッカの間に位置する私のホームタウンにある小さな工房なのですが、そこでは素材や色を選ぶだけで、同じ人がいつも自分好みのシャツを作ってくれるのです。
イタリアに帰る際には、そこでオーダーメイドシャツを作ってもらっています。

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ファッション界における一流ブランドとのコラボレーションも積極的に行なっているマセラティ。写真は、2019年のジュネーブモーターショーのマセラティブース。ゼニアとのコラボレーションによるパーソナリゼーションプログラムが発表された。

―日本でよく行かれるオススメのイタリアンレストランを教えてください。

シェフが私の友人でもあるのですが、ミシュランの一つ星を獲得した「ブルガリ イル リストランテ ルカ・ファンティン」、それと麻布十番の「ディジョルジョ」。
南イタリアからきたシェフが美味しい料理をふるまってくれます。
これらは立派なリストランテですが、個人的にはピッツァも好きなので、ピッツェリアにもよく足を運びます。
パスタですか? トスカーナ州の出身なのでもちろん大好きです。
ケーキやチーズはなくても平気ですが、パスタは欠かせません。
パスタで特に好きなのは「トルデッリ(Tordelli)」です。
これは祖母から母、そして娘へと伝えられる伝統的なレシピで、私にとって生まれながらの親しみのある味なのです。

―お気に入りのワインがあれば教えてください。

ワインは大好きです。他のアルコールはあまり飲みません。
ワインについては、オーストラリア、南アフリカ、フランス製なども飲みます。
でもやはりイタリア製が好きですね。
身内がワイナリーを所有していることもあり、イタリアのワインは舌馴染みがよく、自分にとって一番自然に感じられるのです。
イタリアのワインで自分にとってベストなものをひとつ挙げるなら、アンティノリがプロデュースしている「ソライア(SOLAIA)」というワインです。
アンティノリは様々なワインをプロデュースしていますが、こちらはフィレンツェ南部で作られる少量生産品のワインで、とても美味しいです。

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―グイド社長は、クルマの他に自転車も趣味とお聞きしています。自転車が与えてくれる楽しみについて教えてください。

自転車に限らず乗り物は全般に好きなのですが、自転車は移動手段として使え、独りでも楽しむことができ、ストレス発散ができ、また自分を鍛えられるなど、数多くの魅力を持っています。
日本は山岳地帯が多く、自転車乗りにはタフであると同時に、美しい景観を楽しめる環境だと思います。
お気に入りのバイクですか?2台持っているのですが、デローザの「SK」というバイクを気に入っています。
これはピニンファリーナとのコラボレーションで生まれたモデルで、エアロダイナミックなフォルムに専用タイヤ、専用リムを備えています。
とても美しく、見ているだけで楽しめます。
私が家で自転車を鑑賞し、クリーニングしている姿を見て妻は不思議そうな顔をしますが(笑)。

―最後に、自分にとって大切なものをイタリア語で表現してください。

パッと思いつく言葉は「Famiglia(家族)」や「Amici(友だち)」でしょうか。
ともに時間を過ごす、共に楽しむ、自分にとってもっとも大切な存在です。

WRITER PROFILE
曽宮 岳大 Takeo Somiya
曽宮 岳大 Takeo Somiya

ICU大学院卒。自動車雑誌「LE VOLANT」、自動車webサイト「Driving Future」、「webCG」などを経て独立。2017年にコンテンツ・映像制作会社 株式会社フレズノを立ち上げ、企業やメディアのコンテンツ制作を手掛ける。

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