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AUTOMOTIVE 19 Apr 2018

受賞12台を一挙紹介 コンコルソ・デレガンツァ京都2018

曽宮 岳大 Takeo Somiya
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カーデザインの発展に寄与したカロッツェリア

日本発の国際格式のコンクール・デレガンスを目指し、3月30日から4月2日にかけて京都二条城で開催されたコンコルソ・デレガンツァ京都2018。出展車両はどれも歴史的価値の高い珠玉の名車ばかりだが、そのなかから受賞車両12台の顔ぶれを眺めていこう。


2回目を迎えたコンコルソ・デレガンツァ京都2018。写真は、特別展示車両の「8Cディスコ・ヴォランテ」。トゥーリングがボディを手がけ、2012年のジュネーブモーターショーで発表された。

今回のテーマは「カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ」。トゥーリング・スーパーレッジェーラ(以下トゥーリング)は、イタリアの歴史あるデザイン工房(カロッツェリア)で、創業1920年代と長い歴史を持つ。こうしたカロッツェリアは、自動車メーカーから発注を受けてボディおよびシャシーの設計、さらには生産を請け負うこともあれば、自社発の企画として製作を行なうこともあった。

イタリアのトゥーリングも世界に名だたるカロッツェリアのひとつ。コンコルソ・デレガンツァ京都2018には、トゥーリングが過去に手掛けた作品が多く集結した。もちろんそれ以外のカロッツェリアや、イタリア以外の自動車メーカーが手掛けた作品も姿を見せた。順に見ていこう。

時代を反映した熟練工による美しいボディ

1951年以前に作られたクルマのなかからもっとも優れているクルマに贈られる「Early Cars to 1951」を受賞したのは「1946年 フィアット1100 フルア スパイダー」。イタリアのカーデザイナー、ピエトロ・フルアが手がけた流麗なオープンボディが特徴。

1952年以降に作られたなかで、もっとも優れているクルマに贈られる「Late Cars from 1952」を受賞した「1977年 ランボルギーニ カウンタックLP400」。デビュー時にセンセーションを巻き起こし、その後のランボルギーニのクルマ作りの方向性を確立した。デザインはマルチェロ・ガンディーニの手によるもの。

さまざまな個性を生み出したトゥーリングの傑作たち

1951年以前に作られたイタリアのメーカーで、トゥーリングのボディをまとったもっとも優れたクルマに贈られる「Touring Early Italian」を受賞した「1939年 アルファロメオ 6C 2500SS スポーツベルリネッタ」。フェンダーのなかにヘッドライトを統合したモダンなデザインが特徴。アルファロメオのオフィシャルモデルとして販売された。

1952年から1961年に製造されたクルマでトゥーリングのボディをまとった、もっとも優れているクルマに贈られる「Touring Classic Italian 1952-1961」。受賞したのは「1955年 アルファロメオ 1900CSS」。戦後、排気量が以前に比べて小さくなり、より近代的なスタイルや大きさのクルマが求められた時代に誕生。外装色のブラックはオリジナルを再現したもの。グリーンの内装はオリジナルカラーではないものの、ボディと織りなす美しいコントラストが審査員を魅了し、高い評価を得た。

1962年以降にトゥーリングによって作られたなかでもっとも優れたクルマに贈られる「Touring Italian class of 1962」を受賞した「1962年 マセラティ 3500GT」。1957年のジュネーブモーターショーで発表された。この個体は、アカデミー賞の受賞歴を持つ女優エリザベス・テイラーが最初のオーナー。当時の夫、エディ・フィッシャーがシャンパンゴールドのボディカラーを特注し、エリザベスにプレゼントしたという逸話が残っている。

イタリア以外の自動車メーカーで、トゥーリングのボディをまとった、もっとも優れたクルマに贈られる「Touring Foreign」を受賞したのは、「1959年 アストンマーティン DB4」。エレガントなボディがトゥーリングを体現しているとして、審査員から高い評価を得た。

イタリアの自動車メーカーのなかでもっとも華麗なクルマに贈られる「Auto Italiana elegante」を受賞した「1962年 マセラティ 3500GT」。マセラティが50年代後半にその原型となったコンセプトカーを発表、その美しさから“白い貴婦人”と称された。

トゥーリングの歴史において画期的な道しるべとなるクルマに贈られる「Touring Milestone」。受賞したのは「1949年 フェラーリ 166インテル」。創業まもない頃に、フェラーリが送り出した最初のロードカー。トゥーリングにとって、またそれまでレーシングカーばかりを作ってきたフェラーリにとっても、クーぺタイプの市販モデルを手がける起点になった。

入念なボディワークに浮かび上がる作り手の熱き想い

今年新たに設定された、桜がもっとも似合うクルマ「Premio Sakura」を受賞した「1939年 フィアット1500トゥーリング」。エンジンを冷やす大きな通気口がデザインの特徴で、美しいプロポーションに独特の個性を与えていた。

匠の技が際立つエピソードを持つクルマに贈られる「Craftsman Award」を受賞した「1926年 フィアット 509デルフィーノ」。16歳の板金職人がボディをひとりで叩き上げ、国際展示会の職人コンテストに応募。見事優勝したという熱いエピソードを持つ。

3月30日から4月1日までのコンコルソ・デレガンツァ会期中に一般投票がもっとも多かったクルマに贈られる「People’s Choice」を受賞した「1971年 ランボルギーニ・ミウラSV」。車名は、スペインの著名な闘牛飼育家ドン・アントニオ・ミウラにちなんだもの。スタイリッシュなルックスとは裏腹にデビュー当時、乗りこなすのが難しいクルマとして知られた。


Best of Showを受賞したアルファロメオ 6C 2500SSヴィラ・デステのオーナーのニコラ・リボン氏には、門川大作京都市長より表彰状が手渡された。写真の和装の男性が、コンコルソ・デレガンツァ京都2018の総合プロデューサー木村英智氏。

そして、コンコルソ・デレガンツァ京都2018で、もっとも華麗なクルマと評価された「Best of Show」を受賞したのは、「1951年 アルファロメオ 6C 2500SSヴィラ・デステ」。1949年にイタリアのコンクール・デレガンス・ヴィラ・デステで最優秀賞をとったことで一躍有名になった。トゥーリングの創始者亡き後に、そのご子息がデザイン力、技術力、スピリットを受け継いで完成させた。

以上、12台がコンコルソ・デレガンツァ京都2018の受賞車両。コンクールでは審査員により、その作品の誕生背景からレストアの完成度、保存状態、さらにはストーリー性までを考慮して受賞車両が選定された。もちろん受賞車以外のクルマも、それぞれが立派な成り立ちを持つ。

こうしたクルマを所有することは、単なるオーナーではなく、“文化的遺産の伝承者”の責任を担うことを意味する。それもまたヴィンテージカーならではのエクスペリエンスだろう。

さて次回のコンコルソ・デレガンツァ京都には、どんなクルマが集まるのか。日本発の歴史的名車の祭典が新たな盛り上がりを見せてくれることに期待したい。

WRITER PROFILE
曽宮 岳大 Takeo Somiya
曽宮 岳大 Takeo Somiya

ICU大学院卒。自動車雑誌「LE VOLANT」、自動車webサイト「Driving Future」、「webCG」などを経て独立。2017年にコンテンツ・映像制作会社 株式会社フレズノを立ち上げ、企業やメディアのコンテンツ制作を手掛ける。

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