FEATURE
ART & DESIGN 14 Mar 2019

花の街フィレンツェの圧倒的芸術性を誇る宮殿美術館「ピッティ宮殿」〜春の庭園と貴重な展示品

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春のイタリア旅行におすすめの「ピッティ宮殿」

トスカーナを代表する街「フィレンツェ」。
ローマ神話に登場する花と豊饒の美しいヴィーナス「フローラ」に由来する、花の都とも呼ばれるフィレンツェは、春を迎えるこの時期がベストシーズンです。
街全体がユネスコの世界文化遺産に登録され、歴史的にも価値の高いドォーモや宮殿などの歴史的建造物やその風情ある街並みが魅力の街です。
また、ルネサンス発症の地としても有名なフィレンツェには、ボッティチェッリの代表作「ヴィーナスの誕生」や「プリマベッラ(春)」、ミケランジェロ、レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロのルネサンスの絵画の三大巨匠の作品に触れることができるウフィツィ美術館があることでも知られています。
そんなフィレンツェにある多くの美術館の中でも規模が大きく、広い庭園を併設したとっておきの美術館が「ピッティ宮殿」です。

ルネッサンス芸術を支えたメディチ家の荘厳な宮殿美術館の歴史

フィレンツェの中心部からベッキオ橋を渡り、アルノ川を越えたサント・スピリット地区にピッティ宮殿はあります。
ピッティ宮殿は15世紀フィレンツェの最大の有力者「メディチ一家」の一人、ルカ・ピッティーが1458年に着工をしたものの、1472年に一度建築は中止されてしまいます。
その後、メディチ家の中でもルネッサンス芸術のパトロンとしても有名なコジモ一世が1549年に、体調が優れなかった最愛の妻であるエレオノーラ・ディ・トレドのためにこの宮殿を買取りました。
さらにその後、約400年の増改築を繰り返し、現在のピッティ宮殿の形へと留めます。
そして、1919年に一族により国に寄付され、一般公開されるようになりました。

ピッティ宮殿の4つの展示室

全長約200mの広い宮殿には、主につの4展示室があり、ラファエロなどのルネッサンス絵画が中心の「パラティーナ美術館」、19世紀〜20世紀のトスカーナ派絵画が展示されている「近代美術館」、メディチ家の宝の数々を見ることができる「大公の財宝」や当時の王宮の部屋が展示されている「王宮の間」、「衣装ファッション博物館」では、それぞれ特徴的な宮殿の部屋にディスプレイされた貴重な品々を鑑賞することができます。

6000点の貯蔵コレクションを誇る「衣装ファッション博物館」

増改築を繰り返したピッティ宮殿。中でも1830年に増築した南ウィングに「衣装ファッション博物館」はあります。
1983年にイタリア初の国立の衣装の歴史博物館として誕生したこの「衣装ファッション博物館」には18世紀から現代における、ファッションや衣装の6000点を貯蔵しています。
コートやガラのガウンやドレス、ファッション界に多大な影響を与えたバレンティノ、ヴェルサーチ、アルマーニやイブ・サンローランなどの貴重なプレタポルテの作品などが、南ウィングの13室の部屋に展示されている貴重な衣装の博物館です。

イタリアを代表するサルトリアで数々のオスカーを受賞したことでも有名な「サルトリア・ティレーリ」の演劇衣装やジュエリーの多くも寄贈しており、博物館の貴重なコレクションです。展示内容は2年に一度リニューアルされ、期間限定で貴重な衣装を鑑賞することができます。
非日常の豪華な宮殿の一室に展示される華麗な衣装の数々は、時代背景や人物像など様々な想像力を掻き立てます。

展示品の中で最も古い物は、16世紀のコジモ一世、コジモ一世の妻であるエレオノーラ・ディ・トレド、息子ガルツィアの死装束です。
同ウィングの最上階には、布や衣装の修復専門の研究室があり、この研究室のプロフェッショナルが約50年前に復旧したこれらの死装束は、貴重価値の高いものとして常設展示されています。

定期的に開催される企画展では、様々なテーマに基づいた芸術性の高い衣装の展示会が開催されます。
現在は、「Animalia Fashion(動物界のファッション)」と題された企画展が今年の5月5日まで開催中です。
2000年〜2018年までに制作された動物をテーマにした新進気鋭のデザイナーや有名デザイナーによる衣装が展示されています。
展示室には、芸術性の高い衣装が動物のイラストや蝶や蜘蛛などの剥製と合わせてディスプレイされ、独創性の高い空間演出も見所です。

4万5000㎡の広大な敷地を誇るボーボリ庭園

ピッティ宮殿の裏側に広がるボーボリ庭園は、フィレンツェ最大の庭園です。
4万5000㎡の敷地内には、糸杉の並木道、木のトンネル小道、噴水やオベリスク、著名な彫刻家による大理石の彫刻が点在し、ギリシャ神話を題材とした彫刻が彫られた洞窟などがあります。膨大な費用と時間をかけて造園されたこのボーボリ庭園は、当時のイタリアでは庭園のモデルとして話題となり、ヨーロッパの多くの宮殿庭園へ影響を与えたと言われています。

園内の高台からはフィレンツェ市内を眺めることができることもあり、これからの時期には市民の憩いの場として、多くの人が庭園を訪れます。
また、色鮮やかな花々が咲き誇る春の季節の園内散策は、庭園の魅力を思う存分堪能できます。
まさに花の都「フィレンツェ」のシーズンが今年もやってきます。
華やかなファッションや貴重な絵画と豪華な宮殿鑑賞、そして庭園散策ができるピッティ宮殿は芸術性の高いスポットです。

[ Palazzo Pitti ]
●住所:Piazza de’ Pitti, 1, 50125 Firenze FI
●開館時間:8.15 – 18.50
●定休日:月曜日
●公式サイト:https://www.uffizi.it/en/pitti-palace
WRITER PROFILE
Manami Palmieri
Manami Palmieri

イタリアのミラノ在住、フォトグラファー兼ライター。アメリカの大学にて芸術学部を卒業後、日本の一部上場企業にてアートディレクターとして活躍。国内外で写真展を開催するなど、アーティストとしての幅を広げ、2016年に渡伊。結婚を機にイタリアに移住。現在は、写真と文字でファッションやアートを中心としたグローバルな最新情報を発信中。

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