FEATURE
ART & DESIGN 15 Feb 2019

映画「ローマの休日」の憧れのベスパに出会う、オートバイの博物館「ムゼオ・ピアッジオ」〜イタリアンアート探訪記

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イタリア最大のオートバイの博物館「ムゼオ・ピアッジオ

フィレンツェのサンタ・マリア・ノベッラ駅から電車で約45分、トスカーナ州ポンテデーラにある「ムゼオ・ピアッジオ」は、ベスパの製造で有名なピアッジオの博物館です。ピアッジオはベスパをはじめとする、アプリリア、デルビ、ジレラ、モト・グッツィ、リジェ、スカラベオの7ブランドのオートバイを生産製造する世界トップクラスのオートバイメーカーです。現在は、オートバイの他にペダル付きオートバイのもペットやマクロカーを製造し、総年間台数は60万台を誇っています。ピアッジオ社はポンテデーラに工場と本社を置き、さらに世界50拠点に生産工場や研究センター5箇所を保有しています。

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ムゼオ・ピアッジオは、ピアッジオ社とポンテデッラ市がタイアップしたピアッジオ財団によって2003年に設立されたオートバイの博物館で、オートバイの博物館としてはイタリア最大の規模です。約5000㎡の敷地内には、ベスパを始めとするオートバイや飛行機にいたる約250点が展示されています。2フロアに別れた博物館の2階には、1969年にピアッジオの傘下に入ったデルビの小型から大型のスクーターも展示されている貴重なスペースです。

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また、ヒストリカルアーカイブには、19世紀後半の宣材のオリジナルが保管されていて、紙媒体、写真、デジタル素材やビデオなどを貴重な資料を閲覧することができるのも魅力です。ピアッジオ社の歴史を学べるとともに、その貴重価値の高いオートバイの数々、そのデザイン性の高いアートとテクノロジーを学べる貴重な場所として、イタリア国内のアート系、また技術系を学ぶ学生などが訪れています。

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創業約130年の歴史を誇る、イタリアの老舗オートバイメーカー「ピアッジオ

若干20歳のリナルド・ピアッジオは4人の技術者と共に、1886年にジェノバ工業地域で船舶用のパーツメーカーを立ち上げたのが、ピアッジオ社の始まりです。その後、鉄道車両や航空機を製造に至るまで事業を拡大しました。それまでのモーターやエンジンの技術を生かし、一大ブランド、スクーターの代名詞ともなった「ペスパ」が誕生したのが1946年のことでした。

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リナルドの息子、エンリコ・ピアッジオが手がけたベスパ。このベスパの名付け親も実はこのエンリコでした。プロトタイプを見たエンリコは、そのエンジン音とフォルムを見て、「Pare una vespa! (まるでスズメバチのようだ!)」と言ったことがきっかけで、イタリア語のVESPA(スズメバチ)というネーミングが付けられたという有名な逸話があり、博物館内には、こんなスズメバチが乗ったキュートなベスパも展示されています。

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戦略的な広告や映画の起用で、女性を惹きつけた「ベスパ」

1946年に初代ベスパ「VESPA 98」の製造を開始すると同時に、このポンテデッラの工場での生産を始動させました。世界的に一大ブームを起こしたピアッジオ社のベスパ。「またがらずに乗ることができる着座タイプとステップボード」「水たまりを走行しても、泥で服が汚れない」「女性が乗りやすいバイク」など明確なコンセプトを打ち出したことが、大ヒットの要因でした。また、独自の広告スタイルで、それまでには珍しい女性の広告への起用も、ピアッジオのベスパブランドの確立に繋がりました。

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イタリア製のピアッジオのベスパを世界的に有名にしたのが、憧れの映画シーンでのペスパの起用でした。中でも最も有名なのが、1953年に公開されたオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックの「ローマの休日」です。ローマ市内をペスパ「VESPA 125」に乗りながらローマ市内を散策する姿は印象的で、映画の多くの広告にも、ベスパに乗る二人の姿の写真が利用され、ベスパは女性の憧れのオートバイとして、さらに人気を高めることとなりました。

Audrey Hepburn and Gregory Peck on Vespa in Roman Holiday trailer.jpgBy Trailer screenshot

1946年以降、約60年の生産台数は1600万大を超え、計130モデルが世界中に送り出され、時代のムーブメントを作ったベスパ。日本では、1979年の大ヒットTVドラマ「探偵物語」の中でも松田優作がベスパP150Xに乗る姿が一大ブームとなり、日本でのベスパ人気に一躍を担いました。現在も、毎年斬新なデザインとアイディアで最新モデルを発表し、また昨年は1968年に発売し、人気を博した「プリマベーラ」の誕生50年を記念した、新型モデルVespa Primavera シリーズを発表するなど、いまだ業界の注目を浴びています。

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ヨーロッパで最大のオートバイの保有台数を誇るイタリア。オートバイはイタリア文化の一つと言っても過言ではありません。日本のみならず、イタリア、そして世界的に多くのムーブメントを起こした、イタリアの老舗オートバイメーカー“ピアッジオ”の歴史を心ゆくまで堪能できるスポット「ピアッジオ・ムゼオ」は、バイクファンに限らず、アートや文化的な観点からも、一度足を運んでみる価値のある博物館です。

[ Museo Piaggio ]

●住所:Viale R. Piaggio, 7 – 56025, Pontedera
●営業時間:火曜-土曜 / 第四日曜日 AM 10:00-PM 6:00
●公式サイト:https://www.museopiaggio.it/en/

WRITER PROFILE
Manami Palmieri
Manami Palmieri

イタリアのミラノ在住、フォトグラファー兼ライター。アメリカの大学にて芸術学部を卒業後、日本の一部上場企業にてアートディレクターとして活躍。国内外で写真展を開催するなど、アーティストとしての幅を広げ、2016年に渡伊。結婚を機にイタリアに移住。現在は、写真と文字でファッションやアートを中心としたグローバルな最新情報を発信中。

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