COLUMN
ART & DESIGN 15 Apr 2019

約3000点のコレクションを所有する、イタリアを代表するリキュール「カンパリ」のギャラリー〜イタリアンアート探訪記

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イタリアの食前酒「スプリッツ」の代表的リキュール「カンパリ」

イタリアの食前酒といえば「スプリッツ」。そんなスプリッツに欠かせない代表的な赤のリキュールが「カンパリ」です。カンパリのリキュールは、甘みの中に苦味があるのが特徴です。アメリカーノやネグローニと呼ばれる、カンパリのリキュールを使ったカクテルはIBA(国際バーテンダー協会)の公式カクテルリストに認定されているほどです。

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そんな、世界的に有名なリキュールカンパリが誕生したのは、ミラノを象徴するドォーモの側、「ガレリア」のバーでした。カンパリの創業者「ガスパーレ・カンパリ」が1860年頃にバーテンダーをしていた際に、オリジナルのリキュールを発明したのがその始まりです。ガスパーレ・カンパリは、ミラノを象徴するアーケード「ガレリア」の建築に合わせ、1864年にガレリア内に現在も存在するバー「カンパリーノ」と最初の“カンパリ”リキュールの製造工場をオープンさせます。

そして、ガスパーレの息子「ダビデ・カンパリ」が、1904年にミラノ近郊のセスト・サン・ジョバンニに大規模な工場を設立したことを機に、事業拡大に積極的に取り組み、現在では世界でもトップクラスのアルコール製造メーカーとしての地位を確立しました。

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約3000点のアーカイブを誇る「ガレリア・カンパリ」

2010年にカンパリ創設150周年を記念して、セント・サン・ジョバンニの工場を改装しオープンしたのが「ガレリア・カンパリ」です。その設計を担当したのは、スカラ座の設計を担当したスイス人の建築家「マリオ・ボッタ」で、その洗練されたデザイン設計もこのガレリア・カンパリの価値を高めています。

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1920年代頃から、アーティストとのコラボレーションによる斬新なPR戦略を行なってきたカンパリ。カンパリがグローバル企業への成長を遂げる大きな役割を果たしたのは、斬新な広告を使ったブランディングでした。ガレリア ・カンパリでは、約3000点ものアーカイバルコレクションの中から厳選された作品を展示しています。

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エントランスを入るとすぐにブルーノ・ムナーリのタイポグラフィー「マニフェスト・カンパリ」が目に飛び込みます。この作品は1964年にミラノの最初の地下鉄(レッドライン:M1)の開業の際のポスターとして、「動いている地下鉄からも読み取れるグラフィック」をテーマにして制作されました。

芸術的評価も高いこの作品のレプリカは、ニューヨークの現代美術館にも貯蔵されているなど、世界的にも有名なカンパリをテーマにした代表的な作品の一つです。

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芸術性の高い広告が並ぶ、1000㎡のギャラリースペース

美術館規模の1000㎡のスペースを誇る「ガレリア・カンパリ」は2フロアの展示スペースが設けられています。1階フロアのスペースには、最新のデジタル技術を反映した、32mの巨大スクリーンにはヴィンテージポスターや過去のCM映像が投影されているほか、カンパリのメディアの歴史を辿ることができる15のモニターが設置されています。

さらに、アーカイバルのコレクションから貴重なリトグラフや、ボトルデザインにも採用されたリオネット・カッピエロによるポスターなど、カンパリを代表するアート作品が展示されています。

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2階のフロアは、カンパリのブランドカラー「赤」を貴重にした遊び心のあるモダンなデザインが特徴的な空間です。展示スペースには、貴重価値の高い歴代のボトルや、カンパリが手がけてきたアンティークなノベリティーの数々や、アーティストが手がけたオブジェクトなどもこのギャラリーの見どころの一つです。

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カンパリは長きに渡り様々なアーティストとのコラボレーションによって、グローバルなメディア戦略の成功を遂げてきました。現在においても、昨年のベネチア国際映画祭のメインスポンサーを実施するなど、多彩な形でカンパリのPRを積極的に行なっており、そのアーティステックなメディア戦略は常に注目を浴びています。

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話題の企画展「Storie di Moda  ファッションの歴史」を開催中

2階フロアの一部には企画展を開催する特別スペースが設けられています。現在は「Storie di Moda 〜ファッションの歴史」と題した、ガレリア・カンパリのコレクションの中から、ファッション性の高い広告やポスターなどを展示した企画展を7月13日まで開催中です。サルバトーレ・フェラガモの1930年代の靴やアクセサリー、ジョルジオ・アルマーニのスケッチや衣装など貴重な作品もディスプレイされ、華やかに空間を演出しています。

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長きに渡り、カンパリのブランド、PR戦略を積極的に行なってきたカンパリ。それまで、アルコールの広告といえば男性が中心だったマーケットに、女性をターゲットにした「おしゃれな女性が飲むお酒“カンパリ”」の広告を打ち出したことも、カンパリのブランディングを成功へ導いた理由の一つです。

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最新の企画展「Storie di Moda 〜ファッションの歴史」は、カンパリの世界観の中でエレガントに描かれた女性たちのモードなファッションから、その歴史を辿る貴重な展示会です。

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イタリアを代表するグローバル企業の芸術性を感じる場所

ミラノの中心部から地下鉄で約15分の場所にあるセスト・サン・ジョバンニにある「ガレリア・カンパリ」。最新のデジタル技術を用いたディスプレイと洗練されたデザイン空間で、創業から160年の歴史を誇るグローバル企業「カンパリ」がブランディングを確立した貴重なコレクションを堪能する特別なスペースは、カンパリのPR戦略そのものです。「ガレリア・カンパリ」はアート作品鑑賞、企業のブランディング戦略という観点の2つの異なる観点で鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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[ Palazzo Morando -Costume Moda Immagine ]

●住所:Viale A. Gramsci 161, Sesto San Giovanni, Milano Italy
●ツアー開始時間:火曜日~金曜日:AM 10:00, 11:30 /  PM 2:00, 3:30, 5:00  毎月第2土曜日 :AM 10:00, 11:30 / PM 2:00

*完全予約制(イタリア語でのツアーのみ)

●公式サイト:https://www.campari.com/ja/inside-campari/campari-gallery

WRITER PROFILE
Manami Palmieri
Manami Palmieri

イタリアのミラノ在住、フォトグラファー兼ライター。アメリカの大学にて芸術学部を卒業後、日本の一部上場企業に就職しアートディレクターとして活躍。国内外で写真展を開催するなど、アーティストとしての幅を広げ、2016年に渡伊。結婚を機にイタリアに移住。現在は、写真と文字でファッションやアートを中心としたグローバルな最新情報を発信中。

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